カースト制最下層出身
インド中部チャッティスガル州ライガルで4日、市長選が行われた。市長に選出されたのは、カースト制の最下層に属し、身体的な性と自らの性認識が一致しないトランスジェンダーの女性マドゥ・バイ・キナル氏(35)。
選挙委員会によると、キナル氏は与党・インド人民党の候補に4500票以上の差をつけて勝利。インド初のトランスジェンダー市長の誕生となった。
当選後の記者会見で、キナル氏は「有権者のサポートがあったからこそ、勝利することができた。この勝利は私への愛と祝福だと思う」と語った。
インド最高裁、第3の性を認める
メディアの情報によると、キナル氏はカースト制度の外側にあって、不可触民と呼ばれ差別されてきたダリット出身。列車内で歌ったり、踊ったりすることで生活費を稼いでいたという。
インド最高裁は昨年4月、「性別を選択することは、すべての人間の権利である」として、トランスジェンダーの人々を第3の性として法的に認める判決をくだしている。最高裁は政府に対し、トランスジェンダーの人々にも、雇用や教育、そして生活に必要なあらゆる製品や設備において、一定の対応枠を設けるよう命じた。
インドにおいて、トランスジェンダーの人々や性別適合手術を受けた人、クロスドレッサー(異性装者)、性同一性障害の人々は一般的にヒジュラと呼ばれ、あらゆる疎外に直面しているという。多くは、貧困の中で生活し、時には病院での治療をも拒否されることもあるという。
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by vijay_chennupatiPBS:Madhu Bai Kinnar becomes India’s first openly transgender woman elected mayor
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