トルコ政府に向けた強い言葉
ウラジーミル・プーチン大統領は3日、ロシア政府高官ら約1000人を前に、年次教書演説を行った。
演説では、シリアからのテロの脅威を警告。さらに、トルコの戦闘機がロシアの戦闘機を撃墜したことを
「後悔」させると、トルコ政府に対し、強い言葉を向けたものとなった。ドイツ公共放送ARDターゲスシャウが3日、報じた。
プーチン大統領は、ロシアの戦闘機の撃墜を
「狡猾な戦争犯罪」だと非難し、トルコが過激派組織IS(イスラム国)から石油を購入し、テロを支援していると批判した。
ロシアはトルコに対し、経済制裁としてトマトなどの農作物の輸入を停止。プーチン大統領は、演説のなかで、
「これで終わりだと思ったら間違いだ」と経済制裁の拡大を示唆した。
高まる緊張
ロシア軍機の撃墜だけでなく、ここ数カ月間でロシアとトルコ間の緊張が高まっている。その背景には、シリア政策への相違があげられる。トルコのエルドアン大統領は、シリアのアサド大統領の打倒を目指し、一方でロシアはアサド政権の支援を主張し、着実に軍事支援を強化している。
ロシアとしては、対IS戦線で欧米諸国と協調することができれば、シリアでの軍事介入に関して、欧米諸国からの非難が抑制されることが期待でき、シリアにおける対IS戦を欧米と共闘したい考えだ。
だが、それにはNATO加盟国であるトルコの協力が不可欠で、今の状況ではその構想も非常に難しい。
トルコのアフメト・ダウトオール首相は、プーチン大統領の一連の非難に対し、「ロシアは冷戦時代にソ連が行ったようなプロパガンダを展開している」と非難。両国関係の冷え込みは長期化することが見込まれる。
(画像はイメージです) Photo:
by theglobalpanoramaドイツ公共放送ARDtagesschau.de:Putin droht der Türkei
http://www.tagesschau.de/ausland/putin-rede-111.html