スイスの新チューリッヒ新聞の報道
日本で「脱原発」運動に参加する人が増加してきている。脱原発の実現に向けて、国に圧力をかけようと「7・29脱原発 国会大包囲」と題した抗議行動が29日、実施され、約20万人の人がロウソクやペンライトを手に国会議事堂を取り囲んだ、と報道。
デモ時に起こった小さな挑発事件についても触れていた。参加者は同日夕、日比谷公園で集会を開いた後、「原発いらない」と叫びながらデモ行進した。日比谷公園をスタートした直後の沿道には、多くの右翼団体の構成員が立ち並び、デモ参加者に向かって「反逆者」と非難していた。
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t.ohashiまた、山口県知事選で原発再稼働反対を訴えた飯田哲也候補が敗れたことを報じた。専門家は、次のように分析。
東京のような大都市においては、反原発運動が活発であるが、地方においては、原発は、職場の確保と結びつき、原発を受け入れているのではないか。山口での選挙結果がそれを裏付けた。
他にも28日、発足した日本版「緑の党」についても言及。「緑の党」は、政党として法的要件をまだ満たしていない。だが、来年夏の参院選に向け10人の候補者擁立を検討しているようだ。
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緑の党暫定ホームページドイツのシュピーゲル誌の報道
シュピーゲル誌では、「緑の党」設立に焦点を当てた。「緑の党」設立に至ったのは、2011年3月に起こった福島第一原発による壊滅的な災害がきっかけとなった。
副運営委員長を務める宮部彰氏は、
「与党の民主党も最大野党の自民党も原発の再稼働に賛成しており、有権者は『脱原発・再稼働反対』を実現するための選択肢を奪われている。環境政策をしっかり主張する政党が必要だ」
と主張。
29日に行われた国会議事堂を取り囲んだデモには数千人が参加し、政府の原子力政策に抗議した、と報じた。
ここ数か月、首相官邸前で毎週数万人によるデモ抗議が行われている。10日前に行われた大規模な反原発デモには17万人が集結した。日本での「脱原発運動」は、ますます膨らんでいくであろう。

新チューリッヒ新聞( Neue Zürcher Zeitung)
http://www.nzz.ch/aktuell/international/17415541シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/847014.html