起訴の理由は「神への冒とく」や「精神的苦痛」
ロシア大統領直前の2月21日、モスクワのロシア正教会の大聖堂で
「マリア様、プーチンを追い出して」 と歌い、逮捕された女性パンクバンド
「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」 のメンバーが、裁判所の予備尋問だけで、来年1月まで勾留されることが決定。
大聖堂での演奏は数分間しか続かなかったが、無名だった「プッシー・ライオット」の名は逆に知れ渡った。ヴェルト誌オンライン版が1日、報じた。
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Lorena Cupcake 7月30日、公判が始まった。「プッシー・ライオット」は、覆面をして、厳寒の日でも夏用の派手なコシュチュームに身を包んで街角に現れては、女性の権利や体制批判の歌を歌ってきた。3人のうち2人は小さな子どもがおり、もう5か月も勾留されている。
検察当局は、起訴状で「反プーチン大統領、反政府的な活動」、「神への冒とく的行為」や「正教徒に対する精神的な苦痛を与えた」といった理由を挙げた。3人のメンバーには「流刑地」への7年間の収容が求刑されている。
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《プッシー・ライオット:反プーチン、パンクの祈り》
グループの3人、拷問を受けたと非難
3人の被告人マリア(Maria Aljochina、24)、ナジェジダ(Nadeschda Tolokonnikowa、22)、エカテリーナ (Jekaterina Samuzewitsch、29)らは、Interfaxの情報によると、公判2日目の31日、拷問を受けたと非難。
3人は、拘留中、寝ていないこと、食事を与えられていないことを訴えている。また、10時間にもわたる公判で、1度も飲食を許されず、トイレにも行かせてもらえなかったと非難している。ロシアの人権活動家は、ロシアの刑務所の状況を批判している。
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ericzim 半数以上は「プッシー・ライオット」を支持
世論調査機関Lewadaが実施した調査によると、実刑を支持する人が33%だったのに対し、50%以上は、不適切とみている。世間では、被告らを支持する傾向にあることを示している。
6月には100人をこえるロシアの俳優や文化人が被告の釈放を求める公開書簡を発表。その中には大統領選でプーチン氏を支持した人々も連なっていたようだ。ロシア国外でも英ミュージシャンのスティング(Sting)や、米ポップバンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)らがこの問題を取り上げて発言している。
ヴェルト誌(Welt Online)
http://www.welt.de/print/welt_kompakt/article108430224/ シュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/ausland/1868632.html