習近平国家副主席が消息不明に
ドイツのメディアでも、中国の最高指導者である胡錦濤(フー・ジンタオ)総書記の後継者に事実上確定している習近平(シー・ジンピン)国家副主席の失踪が伝えられた。
10月中旬に行われる予定の中国共産党第18回全国代表大会にて、胡氏から総書記を引き継ぐ予定の習氏であるが、今月の5日から消息不明となっているのだ。ヴェルト紙オンライン版が12日、報じた。
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by Utenriksdept習氏は5日に予定されていたクリントン米国務長官との会談を急きょ取りやめていた。
また10日昼、デンマークのヘレ・トーニング=シュミット首相との会談が予定されていたが、会談には何の説明もなしに前北京市長で経済学者の王岐山氏が現れた。デンマーク側は、会談予定時間の少し前にキャンセルを受けたようだ。
また、習氏は、シンガポールのリー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相やロシアの連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ(Walentina Matwijenko)議長との会談を予定していたが、いずれにも姿を現さなかった。
乱れ飛ぶ憶測
習氏の消息についてさまざまな憶測が飛び交っている。失踪直後に出たうわさは、習氏は
「水泳中に背中を痛めた」もしくは、
「サッカー中にけがをした」というものだ。
また、台湾と香港から発した交通事故説は、インターネットにより中国本土でもうわさになっている。
「習氏は交通事故に遭い、北京の高級幹部専用の人民解放軍301病院に搬送された」というものだ。
実際、同時期に、中国共産党中央規律検査委員会書記の賀国強(ホー・グオチャン)氏が交通事故に遭っている。
その賀氏も消息を絶っていることが判明。9人からなる中央政治局常務委員のうち2名が1週間以上、公共の場に姿を見せていないのは、異常と言えよう。しかも、党当局と外務省からは、何も説明はない。

ヴェルト紙(Welt Online)
http://www.welt.de/