衆議院東京ブロック小選挙区3名
連載10回目は、東京の新人衆議院議員を取り上げる3回目。取り上げる3名は全員40代。高度成長期に生まれ、会社では働き盛りのこの世代は、インターネットも良く活用していると言われている。それでは、政治家はどうだろうか。
今回は小選挙区選出の3名、国民の生活が第一から木村たけつか(きむらたけつか;1971年生)氏、民主党から初鹿明博(はつしかあきひろ;1969年生)氏と櫛渕万里(くしぶちまり;1967年生)のインターネットにおける発信とその活用度をレポートする。
国民の生活が第一 木村たけつか氏の公式サイトとブログ
まずは、木村たけつかの公式サイト(独自ドメインkimutake.jp)を見てみよう。「ブレずに国民生活のために闘います!」とした国会での写真の他、地元での写真や結党時など、複数の写真がスライドショーで表示される。
主なコンテンツは、写真にコメントをつけた「活動写真館」や広報紙を転載した「活動新聞」などがあるが、メインはブログ「キムタケLife」だろう。サイトのトップページにも、ブログの最新記事ダイジェストが掲載されている。
ブログは、ブログサービスの大手アメーバを利用したページへとジャンプされる。更新は週1回程度だ。記事の内容は、写真にコメントをいれた活動報告。簡単な提言なども交えている。
この他、木村氏はツイッターやフェイスブックも利用しているが、これらはまとめて後述する。
民主党 初鹿明博氏の公式サイトとブログ
次に民主党から、初鹿明博氏の公式サイト(独自ドメインhatsushika.net)を訪問する。トップページはブログの最新記事や告知などが中心だ。
主なコンテンツは、ブログ「未来への扉」や、メールマガジンのバックナンバー。どちらもサイト内にある。またユーチューブへとジャンプされる動画も用意されている。
ブログは週1回程度の写真付き活動報告、メールマガジンは月1〜2回程度発行で、政策提言となっている。メルマガはバックナンバーも掲載されているので、選挙区の有権者には特に一読をお勧めしたい。
また初鹿氏もツイッターを活用しているので、こちらも後述。
民主党 櫛渕万里氏の公式サイトとブログ
最後は櫛渕万里氏の公式サイト(独自ドメインkushibuchi-mari.jp)を見てみよう。トップページには「激動する世界の現場で17年! ともに生きる日本を」と掲げている。櫛渕氏はピースボートの事務局長経験者だ。
主なコンテンツは、メールマガジンのバックナンバーを掲載した「NEWS 万里の風」と活動報告のブログ「フォト日記」である。全てサイト内にあって、他社のサイトなどへのジャンプはない。
トップページはそれらの更新情報の他、イベントの告知の他、ツイッターのウィジェット(最新ツィートを掲示するパーツ)や各種バナーなどが貼られ、整然として見やすい。
メルマガは月1回の発行で、最新号は「vol.42」。活動の報告や感想・意見などをしっかりと表明している内容だ。一方のブログは、週2〜3回、写真を加えた活動報告で、気軽に読めるような内容。ただし、カテゴリーなどの設定がされておらず、過去記事をあえてさかのぼって見る訪問者は少ないだろう。
ツイッター・フェイスブックの活用
今回の3名ともツイッターを利用しているので、ここでまとめて比較しながら紹介していこう。
まずフォロワー数。木村氏は約1300人、初鹿氏が約5400人、櫛渕氏が約3700人。ツイート数は、木村氏・初鹿氏はほぼ毎日、櫛渕氏はこの2ヶ月は滞っているが、それまでは毎日つぶやいていた。
ツイッターは、リアルタイム性や拡散することによって、発信力を強めるツールであるから、その点では初鹿氏が最も効果的に活用していると言えるだろう。ただし初鹿氏のツイートは、朝の習慣になっているのか、「おはようございます」から始まる率が高い。
木村氏のツイッターは、毎日ツイートがあるものの、告知も多い。率直な感想や意見などがリアルタイムでもう少し見られると、フォロワーの関心をさらに引くのではないだろうか。
また木村氏はフェイスブックのバナーもサイトトップに貼られている。しかし、実際にはまだあまり利用していないようだ。
調査総論
それでは今回の3氏に関して、ネット選挙力として総括してみよう。3者ともブログやツイッターの活用など、インターネットを発信の場として積極的に利用することを意識しており、それぞれ評価できるだろう。
ただし、個人的な感想となってしまうが、3氏とも“真面目”な内容ではあるが、印象にも残りにくい。ツイッターやブログは、生の声が聞こえるツールであるから、政治家としての視点や活動の場での率直な感想などが、もう少し見えてくると、俄然興味が増すと思う。
またツイッターにおいて3氏とも、ルーチンワークのようなツイートが目立ち、フォロワーとのコミュニケーションやリツイートなどもほとんど見られないので、ツイッターのツールとして魅力も減じる結果となっている。
政治家の数は多いが、特に民主党を中心として1回生議員はメディアに登場することもあまりない。しかし選挙が近づくと考えられている、この時期においては、それぞれの「違い」が気になるものである。
せっかくサイトを訪問しているのだから、各人ならではの政策や骨太な提言、または活動の様子などに見える個性などを知りたいと思う人は多いだろう。さらなるコンテンツの充実がこれからは求められるはずである。
(ライター 大久保ゆか)
衆議院議員 木村たけつかWEBSITE
http://www.kimutake.jp/木村たけつかオフィシャルブログ
「キムタケLife」
http://ameblo.jp/kimurataketsuka/木村たけつか ツイッター
https://twitter.com/kimurataketsuka初鹿あきひろ(公式サイト)
http://www.hatsushika.net/民主党 初鹿明博 ツイッター
https://twitter.com/AkiHatsushikaくしぶち万里 オフィシャルウェブサイト
http://www.kushibuchi-mari.jp/くしぶち万里ツイッター
https://twitter.com/kushibuchi