ムルシ大統領が自身の権限を強化
エジプトのムルシ大統領は22日、来年前半に予定される憲法改正や議会選出までの間、大統領が出す決定や法令などに異議申し立てを認めない法令を発令した。
ムルシ大統領の出身勢力「ムスリム同胞団」の広報担当は、今回の発令について「革命的な第一歩だ」と称賛。だが、リベラル系や左派勢力などの他の政治勢力からは、イスラム勢力による権力拡大を懸念する声が上がった。シュピーゲル誌オンライン版が23日、報じた。
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by Jonathan Rashad批判の声「ファラオ」「独裁者」
ノーベル平和賞受賞者で国際原子力機関(IAEA)前事務局長のモハメド・エルバラダイ氏は、Twitterで、大統領が
「より強力な権力を自身に与え、自らを新たなファラオ(古代エジプトの王)に任命した」
と批判した。
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Twitter/@ElBaradei中東の衛星テレビ局アルアラビーヤは、大統領候補だったハムディーン・サッバーヒ氏のことばを引用し
「革命は新たな独裁者を受け入れることはない。」
と報じた。
カイロ大学のムスタファ・カマル・アルサイード教授は
「政治不和を生じさせる」
と指摘。
大規模なデモを計画
野党は、金曜日の午後に全国一斉デモを呼びかけた。一部の反大統領勢力は、すでに木曜日の夕方、カイロでデモを行った。
アラブ連盟前事務局長のアムル・ムーサ氏は、リベラル系政党に危機対応会議の招集をかけた。ムーサ氏は、
「大統領の決定が大半のエジプト国民の生活をよりよくするものであれば、われわれは、サポートするであろう。」
と語った。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/