衆議院南関東ブロック小選挙区3名
新人衆議院議員のネット選挙力と発信をリサーチする連載14回目は、南関東ブロックの神奈川小選挙区。神奈川には18の選挙区があるが、そのうち初当選が8人、しかも当選時は7人が民主党だった。
今回は、民主党・神奈川1区選出の中林美恵子(なかばやしみえこ;1960年生)氏、国民の生活が第一(当選時は民主党)・神奈川3区選出の岡本英子(おかもとえいこ;1964年生)氏、そして民主党・神奈川4区選出の長島一由(ながしまかずよし;1967年生)氏のインターネットにおける発信とその活用度をレポートする。
民主党 中林美恵子氏の公式サイト
まずは、中林美恵子氏の公式サイト(独自ドメインnakabayashimieko.jp)を見てみよう。中林氏はワシントン州立大学大学院を修了後、アメリカ連邦議会上院予算委員会補佐官(国家公務員)を務めた経歴の持主である。
サイトのヘッダーには「新時代の政治へ」とある。しかし、トップページのレイアウトは雑然とした印象が否めない。また、各ページのサイドには「最新の活動報告」として更新記事の5件が掲載されているが、メニューには、「活動報告」というボタンがない。かわりに、「2011年」や「下期」「以前の活動報告」があるだけだ。
つまり今年の「活動報告」のトップページや一覧にいくボタンは見当たらないため、今年の過去記事を見るには、どれか記事を選んでジャンプし、1ページずつ前へとたどっていくしかないようだ。内容は写真にコメントを添えたものが中心なので、あえて過去記事をさかのぼって見ようとする訪問者も多くはないのだろう。
ちなみに、中林氏はツイッターのアカウントがあり、サイトにもバナーが貼られている。しかし、今年のツイートは5回のみだ。最新のツイートは9月の著書の告知となっている。また、大手のウェブサービス会社アメーバのブログも利用していたが、2年以上更新がなく、使用停止状態となっている。
国民の生活が第一 岡本英子の公式サイトとブログ
次に、岡本英子氏の公式サイト(独自ドメインokamoto-eiko.com)を訪問する。岡本氏は横浜市議を4期つとめた後、神奈川3区から国政へと進出した。
サイトは今年開設したものらしく、コンテンツはあまりない。挨拶やプロフィールなどの基本情報の他、「政策」として、チラシの印刷物がアップされている程度だ。したがって、情報を求めるなら、直接ブログに訪問した方が良いだろう。
ブログは月によってバラツキがあるものの、多い時は連日のように、少ない月でも2〜3日に1回は更新されている。記事の内容は、写真に簡単なコメントを加えた活動報告だ。
さらにリアルタイムな発信として、ツイッターを活用している。フォロワー数は約2200人、返信などもしており、コミュニケーションもとられている。返信を含めると、1日に20回以上ツイートする日もあるようだ。
民主党 長島一由氏の公式サイトとブログ
3人目は長島一由氏の公式サイト(独自ドメインnagashimakazuyoshi.com)を見てみよう。長島氏は31才の時、全国最年少市長として逗子市長に就任、8年間務めた後、神奈川4区から国政に進出した。
トップページは、サイト内の「動画チャンネル」や「政策チラシ」の更新情報を、「ニュースアラカルト」としてブログ形式で掲載されている。コンテンツは他に、「政府・党提出要望書」などがあるが、いずれのコンテンツもサイト用に作れたものではない。
そのため、長島氏の活動や考えなどを知りたいのなら、ブログへ進んだ方が良いだろう。ウェブサービス会社シーサーのサービスを利用しており、週2〜3回更新されている。その内容は、写真を添えたりしながら、長めの文章で丁寧に活動報告をしているものが目立つ。
また、長島氏はフェイスブックのアカウントを持っており、サイトにもリンクが貼られているが、まだほとんど活用していないようだ。
調査総論
最後にネット選挙力として3氏を総括してみよう。
しかしながら、長島一由氏は今月に入り、次回は立候補をしない意向と報道された。17日のブログの最新記事には、今後の取り組みについて近々記者会見するとともに、ブログでも公表すると書かれている。したがって、本稿の執筆段階では長島氏の動向に関して、本人からの正式な表明がないため、当初の予定通り掲載することにした。
しかし、「ネット選挙力」としては、次回立候補しないということであれば、本稿で他の二人との比較は無意味であるため、総評は控える。
そこで、残りの2名に関して比較するなら、岡本氏のブログを更新回数も多い点で評価する。また、ツイッターもツイート回数やコミュニケーションをとっている点などから、ツイッターの利点を生かした使い方をしていると思われる。対して中林氏に関しては、サイト訪問者に親切な設計とは言い難く、印象はあまり好ましくない。
しかし残念ながら、両氏のサイトやブログに関して、いずれも訪問する魅力的なコンテンツは不足していることは言えるだろう。もう少し意見や率直な感想など、積極的な発信を期待したい。
さて、永田町では選挙モードに突入したが、本連載も選挙日に間に合わせるため、今後は連載ペースを増やす予定でいる。
(ライター 大久保ゆか)

中林美恵子(公式サイト)
http://nakabayashimieko.jp/暮らし優先 岡本英子(公式サイト)
http://okamoto-eiko.com/岡本英子 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/okamoto-eiko/岡本英子 ツイッター
https://twitter.com/okamoto_eiko長島一由 オフィシャルサイト
http://nagashimakazuyoshi.com/長島一由blog
http://nagashimakazuyoshi.seesaa.net/