新人国会議員のネット選挙アプローチVol.16　南関東ブロック6

新人衆議院議員のネット選挙力と発信をリサーチする連載16回目は、前回に引き続き南関東ブロックの小選挙区である神奈川・山梨選出の民主党1年生議員3名を取り上げる。

神奈川16区選出の後藤祐一（ごとうゆういち；1969年生）氏、神奈川17区選出の神山洋介（かみやまようすけ；1975年生）氏、そして山梨2区選出の坂口岳洋（さかぐちたけひろ；1971年生）氏のインターネットにおける発信とその活用度をレポートする。

まずは、後藤祐一氏の公式サイト（独自ドメインjitsugen.jp）を見てみよう。後藤氏は経済産業省から政治家に転身した人物である。サイトのヘッダーには「ムダ全廃」とうたい、ドメインはjitsugen（実現？）としている。

サイトはブログ（日記）形式のつくりだ。トップページにブログ記事である「活動報告・ニュース」の最新記事を掲載し、サイドメニューにプロフィールなどの基本情報が選べるようになっている。

記事の更新は、10月が2回、その前は7月で3回。あまり積極的とは言えない回数だ。最新記事は10月末で、国政報告会開催の告知である。

ちなみに、このサイトは後藤氏の顔写真をヘッダーの名前の横に小さく載せているだけなので、トップページの最新記事に掲載された国政報告会参加予定の応援弁士の顔写真の方が遙かに大きく目立つ。サイト訪問した人は、誰のサイトか一瞬誤解するほど、後藤氏の写真も名前も目立たない。

次に、神山洋介氏の公式サイト（独自ドメインkamiyama-yosuke.com）を訪問する。神山氏は、生命保険会社勤務の後、松下政経塾を経て政治家となっている。

サイトのトップページには、「ニッポンが変わる！自律と共助の国へ」とあり、名前の下には松下政経塾出身と添えている。

サイトのコンテンツは、ブログや告知などの新着情報、広報紙の活動報告「積小為大」のアップなどが中心だ。しかし、コンテンツ自体には更新の多いものはないので、マメな再訪を促すような魅力は少ないだろう。

他に、ブログ「続・政経塾日記」があり、時事問題に関する意見をつづった骨太な記事は一読に値するものだったが、今年に入ってからの更新は滞りがちであり、現状ではあまり訪問をお勧めできないのが残念である。

神山氏の動きを追うのなら、ツイッターにリアルタイム性があった。しかしながら過去形になってしまうのは、この1ヶ月はツイートがないためだ。それまでは連日のように写真などをアップしながら活動報告をしていたので、再開が待たれるところである。

3人目は坂口岳洋氏の公式サイト（独自ドメインsakaguchi-takehiro.jp）を見てみよう。1回生議員であるが、民主党ワイン産業振興議員連盟事務次長や民主党新たな戦略的国土地域政策を推進する議員連盟事務局長なども務めている。

サイトの主なコンテンツは、プロフィールなどの基本情報他、告知、活動報告ビラなどのアップ、衆議院TVサイトのリンクなどであり、こまめに再訪を促すような魅力はあまりない。

一方、ブログの方も、月1〜3回程度の更新で、こちらも間遠と言わざるを得ない。記事の内容は、写真をつけた活動報告や、時事問題などの考え、メッセージなど、いろいろ書かれている。また同じ内容のものはフェイスブックにも転載されるので、そちらでの閲覧も可能だ。


最後にネット選挙力として3氏を総括してみよう。今回の3氏は30代後半から40代前半までの同世代であり、一般的には比較的ビジネスシーンでフェイスブックなどネットを多用していると言われている世代でもある。

しかしながら、この数ヶ月を見る限り、3氏ともインターネットによる発信に力を入れる余裕はないのか、更新が滞りがちで、評価するだけの材料に欠ける。

公職選挙法により、現状ではインターネットを選挙運動に利用することはできないため、この3氏に関する限り、投票行動のためにサイト等を訪問しても、有権者にとって多くの情報を得ることは難しいと言わざるを得ない。残念なことである。

（ライター 大久保ゆか）





ごとう祐一のサイト
http://www.jitsugen.jp/

神山洋介 公式サイト
http://kamiyama-yosuke.com/
神山洋介 続・「政経塾日記」
http://sea.ap.teacup.com/kamiyama/
神山洋介 ツイッター
https://twitter.com/kamiyama_yosuke

坂口たけひろ 公式ホームページ
http://www.sakaguchi-takehiro.jp/
坂口たけひろ 公式ブログ
http://sakaguchi-t.sblo.jp/
坂口岳洋 フェイスブック
http://www.facebook.com/takehiro.sakaguchi