衆議院九州ブロック小選挙区3名
新人衆議院議員のネット選挙力と発信をリサーチする連載35回目は、九州ブロック小選挙区の1年生議員(熊本・沖縄)を取り上げる。選挙期間中のため、ネットでの発信は停止されているので、直前の更新までのレポートになる。
福島健一郎(ふくしまけんいちろう;1966年生)氏、玉城デニー(たまきデニー;1959年生)氏、瑞慶覧長敏(ずけらんちょうびん;1958年生)氏のインターネットにおける発信とその活用度をレポートしよう。
日本未来の党 福島健一郎氏の公式サイトとブログ・ソーシャルメディア
まずは、福島健一郎氏の公式サイト(独自ドメインfukushima-kenichiro.jp)を見てみよう。福島氏は、銀行員を務めた後政治家に転身、2009年に民主党から熊本2区から出馬、初当選した。今年7月に民主党に離党、国民の生活が第一の結党に参加、さらに日本未来の党に合流した。
今回の選挙では、熊本2区と九州ブロックの比例との重複候補である。
サイトやブログのタイトルは、「ネット版 ふっけん通信」。福島氏が発行している広報紙「ふっけん」通信が閲覧・ダウンロードできるページも用意されている。
サイト内のコンテンツは、その他に「政治への決意」や「政治を語る動画」。さらにウェブサービス大手のアメーバに開設しているブログや、ツイッター、フェイスブックなどでも発信をしている。
ブログは更新回数にかなりバラツキがあり、今年は多い月が70回以上、11月がもっとも少なく3回。最後の更新は11月4日、ふっけん通信がアップされている。
ツイッターやフェイスブックは、活動報告や告知が中心。特にツイッターはリツイートや返信などコミュニケーションがとられており、フォロワー数も5300人とまずまず。
日本未来の党 玉城デニー氏の公式サイトとソーシャルメディア
次に玉城デニー氏の公式サイト(独自ドメインd21tamaki.com)を訪問する。玉城氏は、地元の沖縄でラジオパーソナリティやタレントを経て、政治家に転身。2002年に沖縄市議、さらに2005年の衆院選に初出馬するも落選、2009年に民主党から沖縄3区に出馬、初当選した。
今年7月に民主党に離党、国民の生活が第一の結党に参加、さらに日本未来の党に合流した。今回の選挙では、沖縄3区と九州ブロックの比例との重複候補である。
サイトのコンテンツは、プロフィールや基本政策などがあるが、更新の中心は、サイト内に設置されている「ブログ」だ。政治課題に対する提言や活動に関する報告、メッセージなど、さまざまなテーマがつづられている。最後の更新は11月29日「未来の党へ」だ。
また、トップページには「出演の動画へ」とジャンプするバナーが貼られており、こちらも動画によって、さまざまな課題に対する自身の考えを発信している。最後の動画アップは12月3日、「衆議院議員選挙」で、沖縄の雇用や産業・農業振興についての考えを述べている。
玉城氏はさらに、ツイッターやフェイスブックも活用している。フェイスブックは、プライベートなコメントも目立ち、写真とともに気軽に楽しめる内容となっている。一方ツイッターは、告知や政治的なコメントも目立ち、積極的にコミュニケーションもとられていて、ネット上での意見交換もある。フォロワー数は、約6500人。
無所属 瑞慶覧長敏氏の公式サイトとブログ・ツイッター
最後に、瑞慶覧長敏氏の公式サイト(独自ドメインchobin.jp)を訪問する。瑞慶覧氏は、沖縄出身で、地元で英語塾経営者。2009年に民主党から沖縄4区に出馬、初当選。今年7月に離党し、現在は無所属。
今回の選挙では、沖縄4区の単独候補である。
サイトのトップページには「闘う」と力強い文字と、「沖縄の主権をとりもどす」とうたっている。コンテンツは「政策」「広報誌」「動画」「活動日誌」など。「政策」は沖縄4区5大政策が掲載されている。
活動日誌(ブログ)の更新は週2〜3回、写真を掲載しつつ、丁寧に内容を紹介している印象だ。最後の更新は12月3日の「決意文」。具体的な政策ではなく、自身の政治姿勢をつづった内容となっている。ちなみに、ブログのカテゴリーに「主張・政策」が設定されているので、そちらから過去記事を確認することは可能だ。
さらにツイッターのアカウントもあるが、こちらはフォロワー数が20人ちょっと、ツイート数も39と、発信ツールとしては弱いと言わざるをえない。
調査総論
それではネット選挙力として3氏を総括してみよう。
福島氏は、サイトとブログ、ツイッターにフェイスブックと、さまざまなネットメディアを使い分け、積極的に発信しようとする意欲が見られる。しかしながら、選挙前を考えると、選挙公約やこれまでの総括など、動画や記事などのメッセージがアップされていないのが残念である。
玉城氏にも福島氏と同様、さまざまな形でネットでの発信を行っている。特に、ツイッターでの意見交換や、最新動画において選挙に向けての決意を述べているので、選挙前の情報として一見の価値があるだろう。
瑞慶覧氏は、選挙用としての動画やメッセージなどの特設ページはないようだが、ブログにテーマを掲げて、折々にその主張を明記している。情報を求める方は、ブログの過去記事を確認すると良いだろう。
さて、本連載は10月より、第45回衆議院選挙において初当選した新人議員を北から順に紹介していったが、本稿をもって終了となる。16日の第46回衆議院選挙において、何人が2期目となるのか、また何人の新人議員が誕生するのか、引き続き注視していきたい。
(ライター 大久保ゆか)
福島健一郎 公式サイト
http://fukushima-kenichiro.jp/福島健一郎 オフィシャルブログ
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http://www.facebook.com/fukushimakenichiro玉城デニー公式ウェブサイト
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http://www.facebook.com/denny.tamaki瑞慶覧チョービン オフィシャルサイト
http://www.chobin.jp/衆議院沖縄県第4区 発信ブログ
http://chobinz.ti-da.net/瑞慶覧長敏 ツイッター
https://twitter.com/ChobinZukeran