賛成127で内閣信任案は可決
イタリアの上院は6日、内閣信任投票を行い賛成127、反対17、棄権23で内閣信任案を可決した。
しかし、ベルルスコーニ前首相が率いる自由国民党(PDL)の議員が採決前に議場を退席。下院で行われた採決でも、PDLの議員は棄権した。
背景には、同党がモンティ政権支持を撤回するという発言がある。イタリアで総選挙が前倒しで実施されるリスクが高まった。
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by Alessio85ベルルスコーニ前首相、総選挙へ出馬
ベルルスコーニ前首相は、昨年11月の退陣以降、自らの進退について発言が二転三転していた。ここにきて、同氏は次の総選挙で首相への返り咲きを目指す考えを固め、出馬への意欲を示した。
同氏は、
「この国を終わりなき不況のスパイラルに陥らせることはできない。イタリアは深淵(えん)に立ちすくみ、身動きができないでいる。」
とモンティ首相の緊縮政策を批判した。
最新の世論調査によると、中道右派の自由国民党(PDL)は14%~16%の支持率で、国内で3番目の勢力である。英国の経済誌エコノミストは、ベルルスコーニ前首相がカムバックすることを議論すること自体がおかしいと報じた。
禁固4年の有罪判決
政府は、内閣信任投票の間、ある特定の犯罪で2年以上の有罪判決を受けたものは、6年間、議員に当選できないという命令を発行しようとした。もちろん、この命令は自由国民党(PDL)により拒否された。
ベルルスコーニ前首相は、今年10月、脱税の罪で禁固4年の有罪判決を言い渡された。同氏は控訴すると見られる。また、脱税以外にも、横領、詐欺、収賄、買春などの容疑で起訴されており、裁判が進行中である。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/