低投票率のため無効
東欧のブルガリアで27日、ドナウ川沿いの北部の町ベレネに同国2か所目の原発建設の是非を問う国民投票が行われた。シュピーゲル誌オンライン版が27日、報じた。
ギャラップ世論調査の出口調査によると、投票率は20.5%で、国民投票の成立に必要な60%に届かず無効となる見通しだ。また、ギャラップは、原発建設に賛成票を投じたのは、60.4%で反対票は39.6%と予測。
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by rowens27与党は建設に反対
公式発表は、来週中に行われる予定。公式結果で投票率が20%を超え、かつ、賛成票が過半数に達した場合、3か月以内に国会で審議されることとなる。
ボリソフ首相は、自身が率いる「ヨーロッパ発展のためのブルガリア市民(GERB)」は、新たに原発建設反対の立場を支持することを示した。
2008年、当時与党だった社会党がロシアの原子力発電会社アトムストロイエクスポルト(Atomstroyexport)と契約を締結。昨年3月、親欧米のボリソフ政権は、コスト高などを理由にベレネでのロシア製原発の建設計画を中止した。それを受けて、野党・社会党が計画中止の見直しを求め、国民投票を要求していた。
コズロドイ原子力発電所では新原子炉建設を計画
89年の共産党政権崩壊後、初めての国民投票だった。
反原発派にとってこの国民投票は、真に意義のある投票ではなかった。過半数以上の反対票で勝ちえたのは、ベレネでの新規原発建設の中止のみで、コズロドイ原子力発電所の閉鎖には至らないからである。
政府は、コズロドイ原子力発電所で3つ目となる1000メガワットの新原子炉の建設を推進している。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ヴェルト紙(Welt Online)
http://www.welt.de/article113168480/