90%は王室支持派
ヨルダンで23日、「アラブの春」以来、最初の下院選が行われた。24日、選挙管理委員会は、公式結果を発表。主要部族と結びついた王室支持派が、150議席の約90%を占め、圧勝した。ドイツメディアが報じた。
現在のところ発表された当選者は150人中123人。このうち女性は4人で、女性割り当て議席が設定されたため、あと2人も当選確実だという。
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by Argenbergムスリム同胞団はボイコット
「アラブの春」の影響で、ヨルダンでもムスリム同胞団やアラブ民族主義政党、左派政党らが結集して抗議デモが起こった。国王が首相を任命するのではなく、国民に直接選ばれた議会が選出する議院内閣制への移行と選挙法改正を要求。
アブドラ2世国王は選挙法を改正し、下院を解散。だが、国内最大政党であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団傘下の「イスラム行動戦線(IAF)」は、「改革は不十分」として選挙をボイコットした。
投票率56.7%で過去最高レベル
多くの政党がボイコットしたにもかかわらず、選管発表によると、投票率は56.7%で、1989年以来、最高レベルだったという。230万人の有権者のうち、約70万人は選挙登録をしておらず、実際の投票率は約43%とみられている。
ムスリム同胞団は、
「選管は、数字を湾曲している。もっと低い投票率だったはずだ」
と非難。また、治安部隊の動員や、票の買収などの不正が行われたと主張している。こうした事態を受け、最初の公式結果発表後、いくつかの都市で抗議のデモや暴動が勃発した。
今のところ権力は王室派の手中にあるが、同胞団は「デモにより議会を早期解散に追い込む」と宣言しており、今後、政治混乱が深まる懸念がある。

南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)
http://www.sueddeutsche.de/politik/ヴェルト紙(Welt Online)
http://www.welt.de/politik/