ネット選挙をめぐる「世代間の格差」が明らかに
株式会社アイ・エム・ジェイは、2013年1月29日、2012年に実施した8本の調査レポートを集約した『Digital Marketing Data Book 2013』を公開しています。
『Digital Marketing Data Book 2013』では、これまでに公開されてきた調査結果に加え、年代ごとの特徴を再編集した「年代別サマリー」も掲載されており、改めて、インターネットとユーザーの「いまの距離感」が認識できます。
なかでも、選挙におけるネット解禁が現実のものとなりつつある状況から、「選挙におけるインターネット活用実態調査」に着目してみました。
調査は、2012年12月16日の第46回衆議院議員総選挙に投票し、選挙全般に関する情報をインターネットで閲覧した全国の20歳から59歳の男女に対して、2012年12月16日午後9時から12月17日の期間に行われ、有効回答数は、1,011サンプルとなっています。
「街頭演説」の影響は、2割弱
調査結果によると、「今回の衆議院議員選挙に関する情報の収集先とその情報の影響度は?」の問いには、「大きく影響した」もしくは「やや影響した」と回答した割合は、「インターネット(67.8%)」、「テレビ(59.5%)」、「新聞(46.6%)」、「家族・友人・知人(23.4%)」などが上位となりました。特に、20代では、「インターネット」との回答が74.9%と、4人に3人が「何らかの影響を受けた」ことになります。
また、「選挙に関する情報をインターネットを使って収集することに関して、前回参加した選挙と比較してあてはまるものをお答えください。」とたずねると、「インターネット(全般)の利用(53.6%)」、「パソコンの利用(49.9%)」、「スマートフォンの利用(23.2%)」が上位となり、以下「Twitter(16.5%)」、「Facebook(11.8%)」といったSNSも、20代を中心に利用の頻度を高めています。
「選挙に関する情報をインターネットを使って収集することに関して、今後の利用意向についてあてはまるものをお答えください。」といった質問でも、上位は「インターネット(全般)の利用(88.5%)」、「パソコンの利用(86.9%)」、「スマートフォンの利用(36.0%)」ですが、「タブレット」や「Twitter・Facebook」以外のSNSも、全体で10%、20代では15%から25%と、利用意向が高まっているようです。
「情報の収集先と影響度」に関しては、「選挙演説(対面で直接)」との回答が17.8%にとどまっている結果からは、名前の連呼による演説の手法自体に満足できない有権者の姿が見受けられるようです。逆に、対面でよりも、インターネットというフィルタを通してであれば、耳を傾けることができるのかもしれません。インターネットに存在するサービスの性格も理解しながら、顔の見えない有権者へのアピール手法にも、よりいっそうの工夫が必要となりそうです。
株式会社アイ・エム・ジェイ プレスリリース
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