第2次安倍内閣ネット選挙力リサーチ Vol.12

第2次安倍内閣を紹介する連載第12回目は、経済産業省を取り上げる。茂木大臣は就任後の会見で、成長戦略、日本のものづくり製造業の復活と付加価値の高いサービス産業の育成、国際展開戦略の3つを掲げた。またTPPや原発・エネルギー問題もあり、発言が注目される。

では、経済産業大臣と副大臣・政務官の5氏のインターネットにおける発信力をレポートしよう。ちなみに、結論を先に書いてしまうが、5氏ともさすがに経済産業にかかわる議員たちだけに、ネットでの活動も熱心のようだ。

自民党の茂木敏充（もてぎとしみつ）氏は、1955年生まれで、栃木5区選出の衆議院議員（7期）。丸紅に勤務した後ハーバードに留学して行政学修士号を取得、帰国後はマッキンゼーアンドカンパニーに勤務。

政治家への転身は1993年、衆議院選挙に日本新党から出馬して初当選。1995年に自民党に入党し、科学技術政策担当大臣や沖縄及び北方対策担当大臣、個人情報保護担当大臣、金融担当大臣などを歴任している。

なお現職では、経済産業大臣の他に、原子力損害賠償支援機構担当大臣、原子力経済被害担当大臣、産業競争力担当大臣も兼任している。

茂木氏のネットでの発信は公式サイトとフェイスブック、ツイッターがある。

公式サイトのコンテンツは、「活動報告（国会）」「政策提言」「テレビ出演・記者会見」「講演・スピーチ」「メッセージ」などがあり、いずれも昨年の選挙公示前までは定期的に更新され、積極的に発信されている。また「記者会見」のみは、大臣就任以降の会見の概要のアップがある。

また、フェイスブックやツイッターが開設されているが、昨年の国会解散の11月を最後に更新がない。しかしそれまでは連日のアップがあり、特にフェイスブックは、活動内容が写真とともに丁寧に茂木氏の言葉でつづられていた。

いずれのメディアにしても、2ヶ月近く更新がなく、茂木氏自身の言葉による発信がないのが残念である。多忙ゆえと想像に難くないが、経済産業大臣としての発信を、ぜひフェイスブックでも期待したい。

自民党の菅原一秀（すがわらいっしゅう）氏は、1962年生まれで、東京9区選出の衆議院議員（4期）。日商岩井勤務後、1991年に政治家に転身。練馬区議を2期、東京都議会を1期務め、2003年の衆議院選挙において初当選、国政に進出した。

菅原氏のネットでの発信は、公式サイトとブログ、フェイスブック、ツイッターがある。

公式サイトはプロフィールなどの基本情報の他、国会質問の動画をアップした「国会活動」などがあるが、ネットでの発信という点においては、ブログとツイッターに重点を置いているようである。

ブログの方更新は基本的に毎日。その日の活動の丁寧な報告や、時事問題・政治的課題など、日々の感想や意見などを率直な語り口でつづっており、読みやすく興味深い。

ツイッターも積極的である。1日複数回、リアルタイムな動きをややカジュアルな文体でツイートしており、フォロワーとのコミュニケーションもとっているようだ。フォロワー数は約4300人と多いとは言えないが、ネットにおける発信力が期待できる内容である。

また、フェイスブックもあるが、こちらはツイッターの転載が中心であるため、ここでは割愛する。

公明党の赤羽一嘉（あかばねかずよし）氏は、1958年生まれで、兵庫2区選出の衆議院議員（6期）。三井物産に勤務し、台湾に語学留学の後、北京・南京事務所勤務を経験。1993年に政治家に転身し、衆議院選挙に初出馬・初当選している。

なお現職では、経済産業副大臣の他に、内閣府副大臣も兼任している。

赤羽氏のネットでの発信は、公式サイトとフェイスブック、ツイッターがある。

公式サイトの主なコンテンツは、活動報告の「写真ダイヤリー」や「政策」、実際に活動した政策の報告・提言をまとめた「実績」、広報紙をアップした「PDF活動報告」など。いずれも定期的な更新もあり、特に「実績」の2月の更新が「減少続ける給与総額」「難航する取り調べ可視可」であり、訪問をお勧めしたい。

また、ツイッターとフェイスブックも開設している。特にフェイスブックは、ツイートの転載もしているので、お勧めである。記事の内容は、基本的にカジュアルな日々の活動報告・プライベートな感想など。写真も多く、気軽に読むことができるだろう。

自民党の佐藤ゆかり（さとうゆかり）氏は、1961年生まれで、比例選出の参議院議員（1期/衆1期）。大学卒業後はコロンビア大学、パリ大学、ジュネーブ大学大学院、ニューヨーク大学大学院などに留学し、開発経済学の修士、金融経済学の博士号を取得。

帰国後は日興シティグループ証券やJ.P.モルガン証券、クレディスイス証券のエコノミストとして活躍した。

政治家への転身は2005年、衆議院選挙に初出馬・初当選。いわゆる“小泉チルドレン”の一人。しかし、2009年の選挙で落選し、翌10年の参議院選挙に鞍替え出馬して当選した。

佐藤氏のネットでの発信は、公式サイトとブログ、フェイスブック、ツイッターがある。

公式サイトには、「私は、経済無策を許さない」と大きく掲げ、「ごあいさつ」にも「生粋のエコノミストが国民を守らずにどうする！」と自身の決意を表明している。

コンテンツは、「プロフィール」や「お知らせ」の他は「活動報告」がある程度。週1〜2回更新があるが、写真に簡単なコメントでやや事務的な内容。またブログも同じ記事なので、どちらかを見れば十分だろう。

むしろ、佐藤氏の言葉を読みたいなら、ツイッターとフェイスブックがある。ツイッターは全体に長めの文章が目立ち、丁寧な活動報告といった印象。一方のフェイスブックは、ツイッターの転載に加え、写真を加えて活動報告や感想、さらに意見なども発信している。

自民党の平将明（たいらまさあき）氏は、1967年生まれで、東京4区選出の衆議院議員（4期）。家業である青果市場の仲卸業を務め、三代目社長。東京青年会議所理事長を務めている。2005年の衆議院選挙に初出馬・初当選し、政治家に転身した。

なお現職では、経済産業大臣政務官とともに内閣府大臣政務官も兼任している。

平氏のネットでの発信は、公式サイトとフェイスブック、ツイッターがある。

公式サイトには「閉塞感を打ち破れ!!」の文字。コンテンツは、「コラム」「活動実績」「政治理念・政策」「フォトアルバム」があるが、これらは残念ながら2ヶ月以上更新がないようだ。

注目は月曜恒例としている「カフェスタトーク」。毎回ゲストを迎えて対談した動画を配信している。対談相手は、政治家、経済評論家の他、準レギュラーに築地魚河岸3代目。

ちなみに最新の2月4日のゲストは竹中平蔵氏である。気軽なトーク口調ながら、時事性のある政治・経済などを語っており、興味を持つ人も多いだろう。

ツイッターも利用しており、1日複数回のツイートがある。活動報告や告知、フォロワーとの交流もあり、積極的な印象。時々プライベートな感想や、ラーメンなどの画像がアップされるので、好感をもってフォローする人もいるだろう。

また、フェイスブックはツイッターの転載が中心なので、ここでは割愛する。

（ライター 大久保ゆか）



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