環境大臣と副大臣・政務官
第2次安倍内閣を紹介する連載第15回目は環境省を取り上げる。
石原環境相と言えば、就任早々、福島の手抜き除染問題が浮上。その対応に関しては今国会でも質疑に上がり、問題は長引きそうな情勢である。また、中国の大気汚染、震災がれきの処分場など、問題をあげれば枚挙の遑がないほどだ。
では、環境大臣と副大臣・政務官の5氏のインターネットにおける発信力をレポートしよう。
環境大臣 石原伸晃氏のネット発信
自民党の石原伸晃(いしはらのぶてる)氏は、1957年生まれで、東京8区選出の衆議院議員(8期)。政治部記者として日本テレビ勤務を経て、1990年の衆議院議員選挙に初出馬・初当選し、政治家に転身した。
第一次小泉内閣にて規制改革担当大臣に就任し初入閣、次いで第一次小泉改造・第二次小泉内閣では国土交通大臣を歴任にした。2010年には、谷垣総裁の下で自民党幹事長を務めたが、昨年の総裁選に出馬し、落選。
なお現職では、環境大臣の他に、原子力防災担当大臣も兼任している。
石原氏のネットでの発信は、公式サイトとフェイスブックがある。
公式サイトは、動画や政策、マスコミ語録などコンテンツが豊富である。しかしながら、この数ヶ月は更新がほとんどない。トップページに「最新NEWS」があるが、こちらはフェイスブックの記事の転載のようである。
一方、フェイスブックは週に2〜3回の更新。昨年11月末の開始の際、“インターネットのメディアとしてとらえ、自ら積極的に情報発信する”と発言した動画をアップしている。
今年に入っても定期的な更新は続いており、環境相としての活動を丁寧に発信している。環境問題は重要であるに拘わらず、テレビ等の大手メディアでは大きく扱われないことも多いので、環境相自身の発信には注目したい。
ちなみに、石原伸晃氏の父は、言わずもがなであるが石原慎太郎維新代表(比例東京ブロック選出衆議院議員)、弟に石原宏高(自民党・東京3区選出衆議院議員)氏がいる。
環境副大臣 田中和徳氏のネット発信
自民党の田中和徳(たなかかずのり)氏は、1949年生まれで、神奈川10区選出の衆議院議員(6期)。参議院議員秘書を経て、1983年に川崎市議に初当選(2期)、1991年に神奈川県議(1期)となる。
1996年に衆議院選挙に初当選して国政に進出、先の第一次安倍内閣では財務副大臣に就任している。
田中氏のネットでの発信は、公式サイトとフェイスブック、ツイッターがある。
公式サイトは、政治理念・政策、活動実績、国政報告・演説などが用意されているが、この数年更新がない。また、トップページは、広報紙の「国政報告」のアップが中心である。
一方、フェイスブックやツイッターの方は積極的だ。ツイッターは日によってバラツキがあるものの、多い時には一日に複数回、リアルタイムな活動報告をツイートしている。
フェイスブックは、ツイートの転載に加え、フェイスブックでは一日1回程度、環境省関係の情報のお知らせや、活動の写真などの記事をアップしている。他の更新情報なども全て記載しているので、情報量の多さはフェイスブックが一番であろう。
環境副大臣 井上信治氏のネット発信
自民党の赤羽一嘉(あかばねかずよし)氏は、1969年生まれで、東京25区選出の衆議院議員(4期)。建設省に入省し、在職中にはケンブリッジ大学大学院に留学、修士号を取得している。
政治家への転身は2003年、衆議院議員選挙に初出馬し、初当選。なお現職では環境副大臣の他に、内閣府副大臣も兼任している。
井上氏のネットでの発信は、公式サイトとブログがある。
公式サイトは、プロフィールや「私の決意」「4つの誓い」と、動画の活動報告があるが、環境大臣就任以降の情報の発信は、ブログに重点をおいているようである。
ブログの更新は週末をのぞき、ほぼ毎日。写真にコメントを添える形で、活動報告をしている。誠実さを感じる文章であるが、やや事務的な報告書といった印象もあるので、もう一言、意見や感想が加われば、さらに興味を持つ人が増えるかもしれない。
環境大臣政務官 齋藤健氏のネット発信
自民党の齋藤健(さいとうけん)氏は1959年生まれで、千葉7区選出の衆議院議員(2期)。東京大学卒業後、通商産業省に入省。在職中にハーバード大学大学院に留学し、修士を取得している。
2004年に埼玉県副知事に出向、その後の2006年に衆議院議員選挙に初出馬するが落選。初当選は2009年である。
齋藤氏のネットでの発信は、公式サイトとツイッターがある。またブログも開設しているが、休止状態が長いので、ここでは割愛する。
公式サイトのコンテンツは、基本情報や活動写真、お知らせ、「月刊 さいとう健」などがあるが、残念ながら更新はあまり多くはない。
“政策・考え”を発信している「月刊 さいとう健」に関しても、骨太な内容ながら、広報紙のアップであり、ネット用として発信しているものではない。
また、公式サイトにはツイッターのバナーが貼られているが、アカウントは「さいとう犬」となっており、プロフィールの記載は「さいとう健の飼い犬」。犬が喋る形態になっており、その主旨は不明ながら、更新情報や活動の一端は見ることができる。
ちなみに、官僚時代に上梓した『転落の歴史に何を見るかー奉天会戦からノモンハン事件へ』は発行時に話題となり、初版は8刷まで版を重ね、現在は文庫本化をしている(初版2002年ちくま新書、増補版2011年ちくま文庫)。
環境大臣政務官 秋野公造氏のネット発信
公明党の秋野公造(あきのこうぞう)氏は、1967年生まれで、比例選出の参議院議員(1期)。長崎大学医学部を卒業、同大学院、アメリカ留学を経て、厚生労働省に勤務。
政治家への転身は2010年、参議院議員選挙に出馬し、初当選した。なお現職では、環境大臣政務官とともに内閣府大臣政務官も兼任している。
秋野氏のネットでの発信は、公式サイトとブログ、フェイスブック、ツイッターがある。
公式サイトは基本情報の他、ブログやツイッター、動画「あきのチャンネル」などの更新情報の記載が中心であり、積極的な発信は毎日更新しているブログとツイッターに重点が置かれている。なお、フェイスブックは、ツイッターの転載とブログの更新情報が中心。
ブログとツイッターに関しては、どちらも活動報告が中心であり、内容にも大きな差がないようだ。
違いと言えば、前者は写真がメインであり、後者はリアルタイムなつぶやき、そしてフォロワーとのコミュニケーションがとられているといったところだろう。特にツイッターの方がややカジュアルな印象があり、好感を持つ人も多いのではないだろうか。
(ライター 大久保ゆか)
石原のぶてる 公式サイト
http://www.nobuteru.or.jp/石原伸晃(フェイスブック)
https://www.facebook.com/nobuteru.ishihara田中和徳 公式WEBサイト
http://www.tanaka-kazunori.com/田中和徳(フェイスブック)
http://www.facebook.com/kazunori.tanaka.14田中和徳(ツイッター)
https://twitter.com/t_kazunori井上信治 OFFICIAL WEB SITE
http://www.inoue-s.jp/井上信治の活動報告(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/inoue_shinji/さいとう健 Official Site
http://www.saito-ken.jp/さいとう犬(ツイッター)
https://twitter.com/saitou_kenあきの公造(公式サイト)
http://akino-kozo.com/あきの公造 公式ブログ
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