第2党シュームットの勝利
北極圏の島、デンマーク自治領グリーンランドで12日、議会選挙(定数31)が行われ、第2党である社会民主主義のシュームットが得票率42.8%で圧倒的勝利を収めた。ヴェルト紙オンライン版が13日、報じた。
公式発表によると、独立派左翼の与党・イヌイット友愛党は、得票率34.4%で第2党に後退。シュームットのアレカ・ハモンド党首は、グリーンランドで最初の女性自治政府首相となる。投票率は74.2%。
シュームットは、単独で過半数に達していないため、連立パートナーが必要となる。新政府が誕生するまでに、数日かかるとみられる。
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Greenland Ice/by christine zeninoデンマークからの独立を模索
グリーンランドは北極海と北大西洋の間にある世界最大の島である。島の大半が北極圏に位置する。デンマーク領であるが、1979年に自治権を獲得、自治政府所在地はヌーク。
もともと本国デンマークとは地理的にも文化的にも離れており、独立を求める声が多かったが、このところ再び、デンマークからの独立を求める声が高まってきている。
地球温暖化で主産業の漁業が影響を受けているが、一方で、厚い氷が少しずつ溶解し、地下資源の採掘が容易になると予想される。
グリーンランドの地下には中東地域に匹敵する量の原油が存在するとされており、現在も石油やウラン、クロム、鉄などの探査が続けられている。近年は、エネルギーや鉱物資源を生かすために海外資本の呼び込みを行っている。
中国がグリーンランドの鉱物資源に関心を示しており、グリーンランドは資源採取のために中国人労働者と中国資本を受け入れることを検討。デンマークがこれに反対しているという。

ハンデルスブラット紙(Handelsblatt)
http://www.handelsblatt.com/politik/ヴェルト紙(Welt Online)
http://www.welt.de/