国民融和を呼びかける
16日、17日に行われた初のエジプト大統領選で、同国選管当局は24日、決選投票の結果を発表。穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団の傘下にある自由公正党のムハンマド・ムルシ党首(60)が得票率51.7%でアフマド・シャフィク元首相(70)を下した。
ムルシ新大統領は、エジプト国民に国民融和を呼びかけ、
「すべてのエジプト国民のための大統領となる」
と、24日、同氏の当選の発表後、テレビ演説で語った。ヴェルト誌オンライン版が25日、報じた。
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Nehal ElSherifムルシ氏は、昨年1月より発生したエジプト革命での大規模な反政府デモとそれに付随する事件で命を落とした約850人の「殉教者」に感謝した。そして、革命は、目標が達成されるまで継続されることを強調した。
同時に、ムルシ氏はエジプトによって署名された国際条約の遵守(じゅんしゅ)を約束。その中でも、最も重要な国際協定の一つは1979年に調印されたイスラエルとの平和条約であることを言及した。
〈YouTube/ムハンマド・ムルシ:エジプトの革命は継続する〉
シャフィク氏と軍最高評議会も祝福
中東通信(MENA)によると、ムルシ氏に敗れたシャフィク氏は、ムルシ氏の勝利を祝福し、エジプト国民より託された困難な課題への成功を祈った。また、国営テレビによると、軍最高評議会(SCAF)のフセイン・タンタウィ議長もムルシ氏に祝福したようだ。
軍最高評議会は18日、立法権などの実権は今後も軍が握るとした新たな規則を発表し、同胞団が権力を保持しようとしていると非難していた。タンタウィ議長は、6月に大統領に帰属する権限を新大統領に与えることを確約した。
欧米、アラブ諸国からの祝福の辞
欧米やアラブ諸国も、ムルシ氏の勝利に祝福の辞を述べた。オバマ米大統領は、電話で祝福し、エジプトの民主化への移行を支援することを約束。
イスラエルは、両国間の協力を継続する意思を強調し、ネタニヤフ首相の広報官が、エジプト・イスラエル平和条約を基礎に協力体制維持の意向を示した。
欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表は、
「ムルシ氏の勝利は、エジプトの民主主義への移行にとって重要な段階で、この国と地域にとって歴史的な瞬間である。」
とコメント。
ドイツやフランス、英国、イタリアなども祝福した。アラブ諸国からは、ガザ地区のハマス政府、イラン、パレスチナ自治政府、ヨルダン、カタール、バーレーンから祝福の辞が届いた。
![外部リンク]()
ヴェルト誌(Welt Online)
http://www.welt.de/newsticker/news1/article107260444.html【エジプト】軍最高評議会が立法権を掌握、米国が軍に圧力を
http://www.net--election.com/news_ayQZDsK9VK.html