リビア史上初めて、平和的・民主的に
カダフィ政権が崩壊してから約1年、リビアを暫定統治してきた国民評議会から8日、7月の選挙で誕生した国民議会に権限が移譲された。
リビアの歴史上初めて、平和的で民主的な権力移譲である。新チューリッヒ新聞が9日、報じた。
首都トリポリで8日夜、式典が行われ、国民暫定評議会のムスタファ・アブドゥル・ジャリル議長が
「この1年で完全な治安の回復を図ることはできなかったが、これからは、国民議会が唯一の国民の代表者だ。」
と宣言。
式典の間、数百人もの市民が殉教者の広場に集まり、和解の象徴としてキャンドルを灯した。
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Mustafa Abdul Jalil / Foreign and Commonwealth Office首相選出や法律制定に着手
200人からなる国民議会は、今後、首相選出や法律制定などに着手する。7月7日に行われた議会選挙では、国民暫定評議会で首相を務めたマフムード・ジブリール氏率いる「国民勢力連合(NFA)」が、政党に配分された80議席のうち39議席を確保。
イスラム穏健派のムスリム同胞団系の公正建設党が17議席、残りの24議席は、各中小政党が獲得。残りの120議席は政党に属さない無所属系に割り当てられた。
国民議会には、治安の回復から経済状況の改善まで、大きな課題が山積みである。憲法起草委員会も、国民議会から招集するか、直接、国民から選出されるべきかも、今のところ何も決まっていない。

新チューリッヒ新聞(Neue Zürcher Zeitung)
http://www.nzz.ch/aktuell/international/17454974