元官房長官を含む38人が政界の汚職事件に関与
2日からブラジルの歴史上、最大の汚職事件の裁判が始まった。起訴されているのは、38人で、大部分が与党労働党(PT) や連立政権を組む政党の幹部だった。その中には、ルーラ前大統領の側近だった元官房長官のホセ・ディルセウ氏(José Dirceu)が含まれている。
ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ前大統領自身は、起訴されていない。
この事件は、労働党の第1党の立場を維持するために2003年から2004年に公金2750万ドル(約31億8000万円)が2つの銀行を経由して賄賂(わいろ)としてばらまかれたとされるもので、ディルセウ氏は「政府の支持基盤を固めるため、他政党に対し不正な工作を行った」とされる。
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Horasis起訴状は5万ページ、起訴理由は1089件
検察側は、ディルセウ氏を、全ての汚職システムの首謀者だとみている。ディルセウ氏は、労働党の創設者の1人として、また、高い政治的地位のために、最高裁判所で審理される。
裁判官は、連邦最高裁判所長官のカルロス・エアーズ・ブリット氏が務め、ブラジルの放送局ヘジ・グローボ(Rede Globo)の情報によると、38人の被告全員に対する起訴が、1つのケースとして扱われるようだ。
5万ページにもわたる起訴状には、1089件もの起訴理由が挙げられており、汚職、マネーロンダリング(資金洗浄)、公的資金の着服、横領などの罪に問われている。
ブラジルでは、この裁判を
「世紀の裁判」と呼んでいる。最高裁の判決は、来月くだされる。

フランクフルター・アルゲマイネ紙(Frankfurter Allgemeine Zeitung )
http://www.faz.net/aktuell/politik/ausland/11842699.html