コロラド州の映画館での乱射事件をうけて
アメリカ・コロラド州の映画館で20日、男が銃を乱射し12人が死亡、38人が負傷した事件を機に、アメリカで銃規制法の議論が再燃している。銃を乱射したジェームズ・ホームズ容疑者(24)は、事件当時、ライフル銃やショットガン、拳銃2丁を所持していたことが分かっている。
普通、アメリカの政治家は、銃をめぐる議論を避ける傾向がある。しかし、オバマ大統領は大統領選を数か月に控え、危険を承知の上で、銃の購入に際し、より厳格な規制を要求。シュピーゲル誌オンライン版が26日、報じた。
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Scott Mオバマ大統領は、25日の夜、ニューオリンズで
銃の所有は、この国において長い伝統がある。しかし、銃による犯罪を抑止するために、何か手を打たなければならないことには、大部分の銃推進派も同意するはずだ。有用な規定は緊急を有する政党をこえた課題である。
と語った。
また、オバマ大統領は、民主党のメンバーだけではなく共和党や宗教団体、市民社会組織との協力を検討。論議されるべき暴力は、銃による暴力だけでなく、大都市における暴力から家庭内での暴力へも適応する考えだ。
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BeckyFロムニー氏の独自の理論
米国で多大な影響力をもつ銃ロビーは、オバマ大統領の発言に、驚いている。11月の大統領選で激戦が予想されるオハイオ州、ペンシルベニア州、バージニア州などには、銃武装の権利を強く訴える有権者層がある。
一方、共和党の大統領候補である、ミット・ロムニー氏は、バットマン乱射事件に関し、驚くべき理論を披露。ロムニー氏は、25日、米NBC放送で
「ジェームズ・ホームズ容疑者は、不法に銃を購入した。」
と主張。ロムニー氏は、事件後、銃規制法の見直しを求める声が高まるなか、法の見直しは不必要との考えを示している。
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Amazonより捜査官の報告によると、実際には、ホームズ容疑者は合法的に拳銃と銃弾を購入したようだ。彼は、全ての必要な検査に合格したのだ。
それでもロムニー氏は主張を曲げることなく、
「法律の見直しで、この種の悲劇を防ぐことはできないだろう。私たちは、新しい法律ですべての悪を無くすことができると期待するが、そんなことは、起こり得ないのである。」
と語った。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/846458.html