スーハさん、仏裁判所に刑事告訴
今年7月、2004年に死去したパレスチナ解放機構(PLO)の故ヤセル・アラファト(Yasser Arafat)元議長の生体試料から、放射性物質ポロニウムが検出され、毒殺された可能性があることが判明した。フォークス誌オンライン版が29日、報じた。
アラファト氏の妻スーハさんは毒殺説を主張し、先月、パリ近郊のナンテールの裁判所に刑事告訴していた。Caroline Chassain連邦検事補が、28日、明らかにした。
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Tomb of Yasser Arafat/by ameruneパレスチナ自治政府、遺体の掘り起こしに同意
スイス・ローザンヌ大放射線物理研究所が、アラファト議長が亡くなったパリ仏軍病院から夫人に引き渡された遺品を分析した結果、高濃度のポロニウム210が検出されたと発表した。
パレスチナ関係者は、長年の敵であるイスラエルがアラファト議長を毒殺したと非難した。アラファト議長がポロニウムで暗殺されたという説を証明するには、埋葬されている遺体を掘り出して分析する必要がある。
パレスチナ自治政府は、遺体の掘り起こしに同意した。パレスチナ側の準備態勢は整っているが、遺体の掘り起こしがいつになるかは不明。スイスの医学専門家がヨルダン川西岸ラマラの墓からサンプルを採取するという。
ポロニウムによる毒殺か?
故アラファト元議長は、イスラエル占領下のヨルダン川西岸ラマラの議長府に軟禁されていたが、2004年秋に体調が悪化。パリの軍病院へ移送されたが、1か月後に75歳で死去した。
当時、治療に関わった医師が正確な死因など一切の公表を拒んだため、陰謀説に拍車がかかった。
放射性物質のポロニウムは、2006年、ロシア連邦保安局(FSB)元情報局員で、その後ロシア政権批判に転じたアレクサンドル・リトビネンコ氏が亡命先のロンドンで毒殺された際に使用された。

フォークス誌(Focus Online)
http://www.focus.de/politik/ausland/808555.html