衆議院東北ブロック比例区3名
民主・自民両党の代表選挙も終わり、選挙の話題が事欠かない昨今の状況。しかし我々有権者は、党の顔や一部の人気議員だけで選ぶわけではない。むしろ政党の多くを占める、やる気溢れる新人議員も知りたいものである。1回生国会議員活動に注目する連載2回目は、東北ブロックの比例区3名をピックアップした。
民主党から山口和之(やまぐちかずゆき;1956年生)と和嶋未希(わじまみき:1972年生)、国民の生活が第一の中野渡詔子(なかのわたりのりこ;1970年生)3氏のインターネット活用度とその発信力をレポートする。
民主党 山口和之氏の公式サイト
まずは、山口和之氏の公式サイトを見てみよう。独自のドメインは「team-kazuyuki」は、単純に自身の名前でドメインを設定することが多い中、あえて“チーム”としているところに、山口氏の意識が見られる。
サイトデザインは実用的でシンプルである。ヘッダに「国民に幸せをもたらすことが私の政治哲学です」とのコメント、ニューバー、右サイドにはツイッターやフェイスブックのレビューやリンクがあるが、これは全ページ共通。トップページとしてのデザインはなく、トピックスの最新記事5件が掲載されているのみだ。
「トピックス」のページは、過去記事を合わせた全記事があるようだ。その内容は、活動報告が写真とともに紹介されているブログ(日記)形式であり、月3〜4回程度更新されている。しかし、テーマやカテゴリーの設定はされておらず、過去記事を読むには向いていない。
サイトを一望すると、トピックスのレビューもリンクの一覧も医療や厚生関係ばかりであり、理学療法士出身であるという山口氏の経歴と議員としての活動方針が一目瞭然となっている。
ちなみにサイトにはオフィシャル・ブログとしてアメブロのリンクが貼ってあるが、1年以上更新されていない。また、ツイッターやフェイスブックに関しては後述する。
国民の生活が第一 中野渡詔子氏の公式サイトとブログ
次に中野渡詔子氏を検証する。公式サイトには中野渡氏のテーマである「食職育」の文字と、「目指すは子どもたちの幸せ」とある。PC用のサイトの他に、携帯用もあるようだ。
独自のドメインは、「nikoniko-noriko」、トップページの挨拶文の冒頭も「いつもにこにこ元気印、中野渡のりこです!!」となっている。中野渡氏のキャッチフレーズらしい。この挨拶文は、9月上旬の内容のものなので、定期的に更新がされているようだ。
サイトの中心コンテンツは、「What’s New(最新情報)」と、「活動記録」である。「活動記録」は、プロバイダのOCNのサービスを利用したブログへとジャンプされる。しかし、半年以上更新が止まっており、最新記事は民主党時代のものだ。
最新情報に関しても、“最後の更新が1ヶ月近く前であったが、携帯サイトの方は、今月の情報が掲載されている。しかし、携帯サイトは、インフォメーションと、ブログへのジャンプするためのものであり、見るべきものはあまりない。
民主党 和嶋未希氏の公式サイトとブログ
最後に、民主党の和嶋未希のサイトを見てみよう。実は和嶋氏は、地元の酒田市長選への出馬のため、10月9日には民主党を離党し、衆議議員の辞職届を提出する見込みである。しかし、本稿執筆時点では現職の議員である上、現状の国会情勢をレポートする意味もあることから、そのまま掲載することにした。
名前を使用した独自ドメインのサイトには、「日本の未来へ、希望へ。」というキャッチフレーズがある。しかしこれに氏の議員を主張するほどの力強いメッセージ性は感じられないだろう。またトップページ全体も、最新ブログ記事の全文と、ツイッターやファイスブックのレビューがあり、特徴的なものはない。
メニューの「奮闘記」を選ぶと、プロバイダのニフティのサービス「ココログ」を利用したブログへとジャンプする。月1〜2回程度更新しているようだ。まめな更新ではないが、しっかりとした文章で、活動報告や意見などを掲載させている。最新記事がサイトのトップにも掲載されているのは、前述の通りだ。
このサイトで最も更新が多いのは「活動Photo」だ。写真に一言コメントが添えているだけであるが、週に1〜2回程度更新しており、活動をリアルタイムに近く追いかけることができる。
その他ソーシャルメディアの活用
さて、多くの議員が独自のサイトやブログを持つのが当たり前となってきたようであるが、他のソーシャルメディアに関しても見てみよう。今回の3氏においては、山口氏と和嶋氏がツイッターとフェイスブックを利用しており、各サイトにレビューもリンクされている。
山口氏のツイッターは月3〜4回程度、しかし、この1ヶ月はつぶやいておらず、ツイッターとしてはかなり頻度が少ない。またフォロワーも600人程度であり、かつ返信やリツイートなども利用していないので、ツイートに広い拡散効果は期待できないだろう。
フェイスブックの方は、サイトのトピックスの記事をRSSで自動読み込みしているのみなので、サイトかフェイスブックのどちらかを見れば十分である。
一方、和嶋氏のツイッターは、はじめてから2ヶ月ちょっとであるが、週1回はツイートしている。しかし、自己紹介は未記入、名前はwajimmamiki、さらに画像も本人写真を使用していないので、公式サイトから確認しないかぎり、誰のツイートだか分からない。
ツイッターのプロフィール画像は特徴的だ。擬人化した“花”の可愛らしいキャラクターは、「人の和」「地域の輪」でみんなをわっと元気にするマスコット“わっこちゃん”」だそうである。ツイートの文面も顔文字を使用したり、プライベートなつぶやきも入ったりと、議員活動の一環という意識は薄いのかもしれない。
ツイッターのフォローは0、フォロワーは17人(10月の執筆時現在)というのも、あまり活用していないことがうかがわれる。またフェイスブックに関しても、7月末に始めたらしいが、一度テストしたのみで、その後の痕跡はない。
調査総論
最後に、今回の3氏のネット選挙力を比較してみよう。山口氏、中野渡氏、和嶋氏の中で、もっともインターネットを活用しているのは、山口氏であると評価できるだろう。トピックスの記事の更新頻度は少ないものの、各記事の内容はしっかりと記述しており、読み応えがある。また、公式サイト内に記事を集約させ、ツイッターやフェイスブックを使い分けている点も評価できるだろう。しかし、ツイッターのフォロワー数は、もう少し増やしたいところだ。
次は和嶋氏。ツイッターは人数の少なさから評価外とするが、ブログの更新頻度が少ないものの、しっかりと自身の主張が述べられており、またサイト内の活動Photoを更新することで、比較的リアルタイムで、議員活動を確認できる。
最後は中野渡氏だ。公式サイトは、PC用と携帯用と2種用意されているが、残念ながら、更新が少なすぎる。ネットによる情報発信を積極的にしようとする意識は見えにくい。
最後に、個人的には医療関係の活動を紹介する山口氏のサイトは興味深く読むことができた。しかし、読者それぞれに、政治に対する希望や知りたいことがあるだろう。各議員のサイトへ訪問することも、各有権者が政治に参加することになるはずである。
(ライター 大久保ゆか)

民主党衆議院 山口和之 公式サイト
http://www.team-kazuyuki.com/山口和之 ツイッター
https://twitter.com/teamkazuyuki中野渡のりこ 目指すは子どもたちの幸せ(公式サイト)
http://nikoniko-noriko.com/中野渡のりこ活動記録(ブログ)
http://nori2.blog.ocn.ne.jp/activity/衆議院議員 わじまみき(公式サイト)
http://www.wajimamiki.com/衆議院議員 和嶋未希(ブログ)
http://wajimamiki.cocolog-nifty.com/