衆議院北関東ブロック比例区4名
来るべき衆議院選挙に向けて、維新や石原新党など、第三極の話題が事欠かない。しかし考えてみると、先の政権交代の選挙前にも似たような話題が賑わっていたことを思い出す。
結果としては、大量の新人議員を誕生させて民主党が勝利したわけだが、次の選挙に向けて、彼等に再度注視する必要があるだろう。連載4回目は、北関東の比例区選出の1回生議員をピックアップする。
民主党から柳田和己(やなぎたかずみ;1950年生)・玉木朝子(たまきともこ;1952年生)・川口浩(かわぐちひろし;1955年生)の3氏と、現在は民主党を離党している中島政希(なかじままさき;1953年生)氏のインターネットの発信とその活用度をレポートしよう。
民主党 柳田和己氏の公式サイトとブログ
まずは、柳田和己氏の公式サイト(独自ドメインkazumy.jp)を見てみよう。トップページには「みんなの声をカタチに」とある。しかし、この言葉だけでは、政治家のキャッチフレーズとしては、印象が弱いように思える。
メニューには「やなぎたの政策」の次に「やなぎた和己物語」がある。プロフィールを写真付きで自叙伝風にしたものだ。サイトのドメインがkazumy(カズミー?)であったり、この自分史であったりと、柳田氏は自分演出にこだわっているのかもしれない。
次はブログを見てみよう。国内最大規模のアメブロを利用している。記事の更新は、ややばらつきがあるものの週2〜4回、活動報告を写真付きでコメントしている。しかし、アメブロの利点の一つである「読者」の登録者が1名しかいないのは寂しい。
民主党 玉木朝子の公式サイトとブログ
次に、玉木朝子氏の公式サイト(独自ドメインtamaki-tomoko.net)を訪問する。トップページは事務的なデザインであるが、「難病の当事者として共生社会を実現します」とあり、政治姿勢は一目瞭然である。
コンテンツもシンプルだ。「原点・決意」には政治家になった理由と経緯、さらには「国会活動報告」で、難病対策に関する活動を、「難病問題への取り組み」でも玉木氏の活動と制度等の解説がされている。難病に苦しむ人にとっては心強さを感じることだろう。
一方、ブログの方は、今年の5月を最後に更新がとまっている。2010年の開設以来、週に1回ペースに更新されていたのに残念だ。今後の再開に期待する。
民主党 川口浩氏の公式サイトとブログ
民主党から3人目、川口浩氏の公式サイト(独自ドメインkawaguchi-hiroshi.com)を見てみよう。トップページには「あなたの命を守る政治を実行します」とあるが、一見すると顔写真もない地味な作りだ。
しかし、メニューバーの下には、政治姿勢を直接語りかける動画が用意されている。動画は、きちんと政策されたプロモーションビデオの作りだ。また、サイト内でのサービスも紹介しており、経歴である歯科医らしいVTRである。
またメニューもおもしろい。各タイトルの横にある人物のシルエットは、カーソルを当てると、川口氏の写真にかわり、動き出す。大きな歯ブラシを持った川口氏がまわったり、手を振ったりとコミカルだ。
しかし、何といってもコンテンツのメインはブログ「政治を磨く」だろう。活動報告を写真にコメントを付けて記事にしている。10月の更新はまだないが、月に4〜5回程度更新されている。また、携帯メールマガジンも用意しているようだ。
改革無所属の会 中島政希氏の公式サイトとブログ
最後は、民主党を離党し、改革無所属の会となった中島政希氏の公式サイト(独自ドメインnakajima-masaki.com)を訪問する。トップページには特にキャッチコピーなどはないが、中島氏の顔写真がデザイン的に配されている。
主なコンテンツは「議員活動報告」と「同時代への視点」の二つ。しかし活動報告の頻度は低く、内容も写真アルバムのような雰囲気である。
一方の「視点」は、最新記事が、今年7月のNo.6 とこちらもかなり不定期だ。しかし内容は、論文調であり、骨太だ。
調査総論
それでは、4氏のネット選挙力を比較してみよう。今回は4氏ともにツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアは使用していないため、公式サイトとブログで順位を総評する。
全体に言えば、4氏共に毎日にようにブログを更新したり、ツイートしたりというほど、インターネットに時間を費やしてはいないようだ。そのため比較してみると、政治家としての主張や活動をいかに伝える意識があるか、という点の差違が目立つ。
その点で言えば、もっとも訪問者を意識しているのは川口氏のサイトだろう。白衣に歯ブラシをもった姿は、一目で歯医者と分かるし、メニューのアニメーションや、紹介VTRなど、サービス感覚が強い。また、ブログも歯科や医療の分野を中心に活動報告をしており、この政治家が何をしたいのかが有権者にとっても明快で、投票行動の際の良い判断材料となるだろう。
次は玉木氏をあげたい。この数ヶ月はブログの更新がとまっているため、その点では評価しづらいのだが、トップページに掲げたメッセージには熱意が感じられるし、サイト全体もその政策中心にまとめているところを評価したい。
3番目は柳田氏だろう。今回の4氏では最もブログをまめに更新している。しかし、サイトも含めて、内容には強いメッセージ性や政治家としての意思が伝わりにくく、今回は下位。
最後は中島氏とする。たまにアップされる「視点」は政治家としてのしっかりした論文であるが、サイト全体にうたったキャッチコピーなどがないため、主要政策が見えにくく、有権者に対するメッセージ性は弱い。
今回の4氏は、当選当初は全員民主党の新人議員だった。当たり前の話であるが、次回選挙で当選すれば、彼等も2回生になるわけで、新人だからという甘えは許されない。有権者としてそろそろ総括したいと考える人も多いだろう。
本稿は基本的に、ネット選挙を意識し、各議員がいかにネットを活用しているかを客観的な視点で紹介しているが、その活動を判断するのは、有権者一人一人の手に委ねたい。ぜひ多くの人に訪問してもらいたいものである。
(ライター 大久保ゆか)

柳田和己 公式ホームページ
http://www.kazmy.jp/やなぎだ和己オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yanagitakazumi/玉木朝子 公式サイト
http://www.tamaki-tomoko.net/川口浩(公式サイト)
http://www.kawaguchi-hiroshi.com/川口浩 公式ブログ
http://kawaguchi-hiroshi.weblogs.jp/中島政希 公式ホームページ
http://www.nakajima-masaki.com/