衆議院南関東ブロック小選挙区3名
新人衆議院議員のネット選挙力と発信をリサーチする連載15回目は、前回に引き続き南関東ブロックの神奈川小選挙区の2回目。神奈川11・13・14区選出の3名が1回生議員である。
自民党・神奈川11区選出の小泉進次郞(こいずみしんじろう;1981年生)氏、民主党・神奈川13区選出の橘秀徳(たちばなひでのり;1969年生)氏、そして民主党・神奈川14区選出の本村賢太郎(もとむらけんたろう;1970年生)氏のインターネットにおける発信とその活用度をレポートする。
自由民主党 小泉進次郞氏の公式サイトとブログ
まずは、小泉進次郞氏の公式サイト(独自ドメインshinjiro.info)を見てみよう。小泉元総理の秘書を務めた後、その後継者として2009年に初当選。おそらく今、最もメディア露出の高い1回生議員と言える人物だろう。
サイトを訪問すると、小泉氏の大きな横顔や、顔がだんだんクローズアップされていくムービーなど、複数の写真がまず目に飛び込んでくる。サイトは、グリーンをベースカラーにしようしており、小泉氏らしい“爽やかさ”を強調したデザインとなっている。
コンテンツは、プロフィールなどの基本情報のほか、「政策」、自民党広報紙などをアップしている「活動報告」、講演会かイベントの様子をライブ配信する「実況」、国会の様子をアップした「ライブラリ」、議事録を公開している「国会議事録」がある。
しかし、上記はサイト用に定期的に更新する記事ではないので、小泉氏の日々の活動や声を知りたい人は、ブログの方が良いだろう。ウェブサービス大手のアメーバのブログを利用し、ほぼ毎日更新。複数回アップしている日もある。内容は、写真などを添えた簡単な活動報告が中心だ。
民主党 橘秀徳氏の公式サイトとブログ・ソーシャルメディア
次に、橘秀徳氏の公式サイト(独自ドメインt13.jp)を訪問する。ドメインは、自身のイニシャル「t」と選挙区の神奈川「13」区を組み合わせたものだろう。ちなみに橘氏は東京都出身。
サイトのコンテンツは、基本情報の他、「決意」や広報紙のアップした「国政たちばなし」などで、サイト自体のコンテンツは少ない。しかし、ブログやツイッター・フェイスブックなど多くのメディアを活用しており、トップページには各種の更新情報が掲載されている。
ブログはアメーバを利用しており、週に1〜2回程度更新。内容は簡単な活動報告である。さらに同じものがツイッターでも重複している。
ツイッターに関しては、上記に加えて告知やリアルタイムの活動の感想などのつぶやきもあり、複数回つぶやく日も多い。フォロワー数は2000人弱とまずまず。ツイッターはさらにフェイスブックにも転載される。
民主党 本村賢太郎氏の公式サイト
3人目は本村賢太郎の公式サイト(ドメインinsyoku.net/motomura/)を見てみよう。本村氏は神奈川県議を2期務めた後、神奈川14区から国政に進出した。
サイトの主なコンテンツは、国会審議の動画がアップされた「議会活動」と、“皆様へのメッセージ”と説明されている「もとむらの声」だろう。ちなみに議会活動のページにある一覧をクリックすると、直接動画がダウンロードされてしまうので、要注意だ。
「もとむらの声」は、いわゆるブログ(日記)だ。写真をのせた簡単な活動報告のようなものから、時事ニュースなどへの意見・感想などがつづられ、連日のように更新されている。ただし、各記事にはテーマ設定がなく、一覧ページなどもないため、過去記事を見たい場合は、2件ずつ表示される各ページを一つ一つ戻っていく必要がある。
調査総論
最後にネット選挙力として3氏を総括してみよう。今回の3氏は30代前半から40代前半ということもあり、それぞれがネットでの発信力を意識している内容と言ってよいだろう。
特に橘氏はさまざまなソーシャルメディアを活用して発信しており、ネットの拡散力を高めていることは評価できる。また他の2名にしても、ブログの更新回数が多く、丁寧だ。
しかしながら、政策や提言などのページ、あるいはブログでの骨太な記事はあまり目につかず、政治家の言葉としては物足りなさを感じる訪問者もいるだろう。個人的にも、訪問をお勧めするほどのものは感じなかった。
月に1回でも良いので、講演会などに行けない人間のために、自分達の言葉でさらに意見を発信されることを希望したい。
(ライター 大久保ゆか)

小泉進次郞 オフィシャルサイト
http://shinjiro.info/小泉進次郞 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/koizumi-shinjiro/橘秀徳 公式サイト
http://t13.jp/橘秀徳 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/tachibana-hidenori/橘秀徳 ツイッター
https://twitter.com/touch_tachibana橘秀徳 フェイスブック
http://www.facebook.com/touch.tachibanaもとむら賢太郎 オフィシャルページ
http://www.insyoku.net/motomura/