現職のトゥルク大統領、敗れる
スロベニアで2日、任期満了に伴う大統領選の決選投票が行われた。野党の中道左派・社会民主党のボルト・パホル前首相(49)が中道左派の現職ダニロ・トゥルク大統領(60)を破り、初当選した。
選管当局の開票結果(開票率99%)によると、パホル氏は得票率67.4%、トゥルク氏は同32.6%だった。パホル氏は当選後、
「何か新しいもの、新しい希望、新しい時代の始まりだ」
と勝利宣言した。
170万人の有権者のなか、投票率は約42%で、1991年の独立以来、大統領選における最低の投票率だった。シュピーゲル誌オンライン版が2日、報じた。
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Borut Pahor/by veni markovskiボルト・パホル
パホル氏は、1997年から社会民主統一リスト(ZLSD)の党首で、2005年から社会民主党(SD)の党首に就いた。2008年9月21日、社会民主党が下院(定数90)選で勝利し、同年11月、首相に就任した。
その後、2011年12月4日、パホル氏に対する議会の不信任を受けて行われた下院選で社会民主党は敗北。氏は社会民主党の党首を辞任した。
パホル氏が失脚から再び大統領選で成功を収めたことに、関係者の多くが驚いている。
緊縮政策
スロベニア大統領の任期は5年で、主に儀礼的な役割を担っている。スロベニアは2004年から欧州連合(EU)の加盟国で、現在、欧州債務危機の波及で深刻な経済危機に陥っている。欧州委員会は、同国の2012年の経済成長率をマイナス2.3%とみている。
スロベニアは、国際助成金の申請を回避するために、公務員の賃金削減など、緊縮政策を進めている。パホル氏は、財政を再建するため、ヤンシャ首相の中道右派与党とも協力していく姿勢を示した。

シュピーゲル誌(Spiegle Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/