衆議院東海ブロック比例区6名
新人衆議院議員のネット選挙力と発信をリサーチする連載18回目は、東海ブロック(岐阜・静岡・愛知・三重)選出の1年生議員を取り上げる。
まずは比例選出の議員を2回にわけて紹介。今回は、橋本勉(はしもとべん;1953年生)氏、今井雅人(いまいまさと;1962年生)氏、笠原多見子(かさはらたみこ;1965年生)氏、大山昌宏(おおやままさひろ;1970年生)、山田良司(やまだりょうじ;1960年生)氏、磯谷香代子(いそがいかよこ;1965年生)のインターネットにおける発信とその活用度をレポートする。
減税日本 橋本勉氏の公式サイト
まずは、橋本勉氏の公式サイト(独自ドメイン/hashimoto-ben.com)を見てみよう。サイトには「西濃が変われば日本が変わる!」とある。橋本氏は、数日前に民主党を離党したばかりだ。
サイトは、カラフルな色使いではあるものの、全体には極めて事務的な印象である。コンテンツもプロフィールなどの基本情報の他は、ブログがある程度でシンプルだ。また政策などのページが設けていない代わりに、トップページに「消費税」と「外交防衛」に関する意見書を掲載している。
ブログは、ウェブサービス大手のアメーバを利用して開設したページにジャンプされるが、4ヶ月以上更新がない。そもそも、今年の更新は2回、6月と7月の各1回のみなので、活用しているとは言えない状態だ。
日本維新の会 今井雅人氏の公式サイトとブログ・ツイッター
次に、今井雅人氏の公式サイト(独自ドメインimai-masato.com)を訪問する。今井氏は経済アナリストとして活動し、“マット今井”としても知られている人物だ。サイトには「増税が行われる前に、片付けておくべきことがある」と力強く掲げている。
今井氏は、ライブドアを利用したブログやツイッターなどを活用しており、公式サイトはそれらの新着情報や基本情報などを掲載した目次的な役割となっている。また、サイト内にメールマガジンの案内があるが、バックナンバーの閲覧ページはなく、内容は確認できない。
ブログ「今井雅人がゆく」の更新は月1〜2回程度。内容は活動報告や時事ニュース・意見などさまざまなアプローチがあり、更新回数が少ない割には、文字量などにもバラツキがある。
一方、ツイッターの方は、数日あく日があるものの、連日のようにツイートをしているようだ。つぶやきには活動報告に加え、時事ニュースへの意見や感想が目立つ。フォロワーも6000人を超え、拡散力もあるだろう。また、コミュニケーションなども積極的にとっており、中には手厳しいツイートに対しても返信をしている。
ちなみに今井氏は、9月に民主党を離党、10月に日本維新の会に入党した後、次期衆院選では国替えを検討していることを本人も認めていたが、先日一転して現在の地盤で立候補することとなっている。
国民の生活が第一 笠原多見子氏の公式サイトとブログ
3人目は笠原多見子氏の公式サイト(独自ドメインkasahara-tamiko.net)を見てみよう。笠原氏は自民党で岐阜県議を3期務めた後、2009年に離党、民主党から衆院初当選。今年17月に離党し、現在は国民の生活が第一である。
サイトには「やさしさあふれる国政を」とあるが、サイト内に政策などをまとめたページはなく、キャッチコピーの主旨は不明。コンテンツは「国会での活動」「地元での活動」と題する写真アルバムがある程度で、“読む”ところはないため、このサイトから情報を得ることは少ないだろう。
また笠原氏はライブドアを利用したブログ「T-Blog」も開設している。こちらの更新は毎日されているので、リアルタイムの情報や考えを知りたい人は、こちらに直接訪問した方が良いだろう。
記事は活動報告が中心だが、カジュアルなスタイルで書かれており、気軽に読める内容だ。好感の持てる文章である一方、政策や意見なども軽めにしているため、物足りなさを感じる人もいるだろう。たまに骨太な記事を交えると、興味を持つ人も増えるのではないだろうか。
国民の生活が第一 大山昌宏氏の公式サイト
4人目は大山昌宏氏の公式サイト(独自ドメインmasahiro-oyama.jp)。大山氏は学習塾の経営を前職としており、サイトには「時代を担う子ども達に誇れる日本を」とある。
コンテンツは、あまりない。メニューには「ご挨拶」「プロフィール」「活動レポート」「事務所」「お問い合わせ」の5つだが、活動レポートも2年前の委員会の質問をアップがあるのみで、定期的な更新されているものはないようだ。
民主党 山田良司氏と磯谷香代子氏
残る山田良司氏と磯谷香代子氏に関しては、残念ながらサイト等、両氏が開設しているものを確認ができなかった。
山田氏はホームページのURLの記載があるのだが、開くことができず、現状も運営しているのか不明。磯谷氏に関しても、ツイッターのアカウントがあるようだが、1年以上ツイートがなく、記載されているプロフィールやツイートの内容からも公式なものかどうか不明である。
調査総論
それでは最後にネット選挙力として6氏を総括してみよう。しかし、今回は訪問をお勧めしたいサイトが少ないようだ。
サイトのない山田氏と磯谷氏に関しては、「ネットでの発信」を主旨とする本稿では論評外となり、更新が止まっている橋本氏と大山氏も評価すべき点が少ない。
残る2氏に関しては、今井氏はツイッター、笠原氏はブログで連日更新を行っており、ネットでの発信を意識し、活用していると評価できる。
特に、今井氏のようにコミュニケーションをとり、さまざまな声に応えようとする姿勢には好感が持てる。ツイッターは双方向の発信と公開が利点だからだ。
現在はまだ、公選法により選挙運動でのインターネット利用は禁止されているが、今やツイッターは一般から公人まで、広く意見を発信できる有効な場である。今後はぜひ、国民の声に応えるべき政治家のツイッターの多くが片方向の発信だけなく、交流の場の一つとなることに期待したい。
(ライター 大久保ゆか)
橋本べん(公式サイト)
http://hashimoto-ben.com/今井雅人公式サイト
http://www.imai-masato.com/今井雅人のブログ
http://masato.livedoor.biz/今井雅人 ツイッター
https://twitter.com/imai_masato笠原多見子(公式サイト)
http://www.kasahara-tamiko.net/pc/笠原多見子のブログ T-Blog
http://blog.livedoor.jp/kasahara_net/大山昌宏オフィシャルサイト
http://www.masahiro-oyama.jp/