シュピーゲル誌の報道
日本の総選挙が迫っている。世界も選挙の行方に注目している。
ドイツの13日付シュピーゲル誌オンライン版は「右傾化する日本」という記事で、次のように報じた。
今回の選挙は、国を根本的に変えるいいチャンスなのに、総選挙を支配しているのは、古いテーマと古い顔。若い政治家は、実質的にチャンスがない。福島第1の事故にもかかわらず、原発問題は、差し迫った問題ではない印象を与える。
昨年日本を襲った地震や津波、核融合は、日本の政治にある勢いを与えたかのように見えた。毎週、数千人が反原発デモを行い、本当の意味での国民の代表を要求した。
だが、投票が2日後に迫った今、日本の政治は右傾化し、真の改革から遠ざかっている。
日本研究科のツェルナー氏は、
「日本の左派が何も行動を起こさなかったのが最大の失望である。毎週、首相官邸に集まっていた人たちも、やる気を失ってしまった。有権者が望んでいるのはただ一つ、秩序と安定であろう。」
と語った。
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by jparise供託金とネット選挙禁止
日本の選挙で新党や若い政治家に不利な点は、2つある。一つは供託金である。7月末に結成され脱原発を掲げる政治団体「緑の党」は、高い供託金という壁に立ちはだかれた。衆院選に立候補する際は、小選挙区1人300万円、比例代表では600万円の供託金が必要となる。
ドイツやイタリア、フランス、米国などには供託金がなく、イギリスやカナダ、オーストラリアでは10万円以下である。韓国は約150万円で、日本ほど高額を求める国はない。
2つ目は、ネット選挙の禁止である。候補者は、選挙区をミニバンで回ったり、終業後に駅前で演説をするしか方法がないのである。
世論調査
毎日新聞の世論調査の結果、自民党が衆議院議席(480議席)の過半数をはるかにこえる278~309議席を占め、民主党は59~73議席、日本維新の会は42~57議席、公明党は29~31議席を得ると予想。
11月に行われたYahoo!サーチ・モニタのインターネット調査によると、「最も気になる政治テーマ」では、「景気・雇用対策」が20.7%で最も多く、続いて「外交・防衛問題」の16.1%、「原発事故対応」や「震災復興」「エネルギー政策」などはそれぞれ5.3%、3.7%、4.1%だった。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/Yahoo!Japan みんなの政治
http://seiji.yahoo.co.jp/research/