フランスが軍事介入
西アフリカのマリにおいて暫定政府とイスラム過激派の戦闘が激化。旧宗主国のフランスは、暫定政府の要請を受け軍事介入に踏み切り、11日、フランス軍は空爆を行った。
マリでは過激派が北部を制圧しており、国土が事実上、南北に分断されている状況だ。仏軍による空爆は3日連続で行われ、仏政府によると、東部の過激派勢力は、撤退を余儀なくされているという。独シュテルン誌オンライン版が15日、報じた。
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by Rd Picardマリにいったい何が起こったのか?
マリは、長い間アフリカの中で数少ない民主主義国の一つとみられていた。ただ、北部では継続的にトゥアレグ人が過激な分離闘争を行ってきた。
2012年1月、トゥアレグ人が蜂起し、マリの北部各州を制圧。さらに同年3月、軍事クーデターが起こった。トゥアレグ人の反政府武装組織「アザワド解放民族運動(MNLA)」とイスラム主義組織「アンサル・ディーン」が北部三州を制圧し、一方的にアザワド独立宣言を発表。現在、マリ北部はアンサル・ディーンの支配下にあり、南北に分裂している。
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by Magharebiaなぜフランスはマリ暫定政府の要請を受けたのか?
具体的な理由は、フランス人7人の誘拐とその救助の失敗である。現在でも、いまだに9人が人質となっている。また、1月に入ってからイスラム過激派勢力は南下してきており、戦略的にも重要な中部の都市モプティを守るためにも、軍事投入を余儀なくされた。
他には経済的関心も理由の一つである。さらに、多くのイスラム過激派らはフランス語を理解でき、仏国内には彼らの親類が住んでいるために、テロが仏国内に広がる可能性を恐れていることも挙げられる。
フランスを支援している国は?
国連安全保障理事会の会合が14日、開かれ、各国が派兵や後方支援を表明。国連は、専門家チームを首都バマコに派遣する準備を進めているということだ。アルジェリアは、仏軍に上空通過権を付与。
米国防当局者によると、既に衛星からの情報や傍受した信号などの情報をフランスに提供しているようだ。米国防総省は、空中給油機や無人偵察機の派遣も検討しているという。
ドイツもフランスの軍事介入を支持しているが、今のところドイツ連邦軍の投入はなく、医療や物流、人道支援での方向を検討していると、ザイバート政府広報担当官が述べた。

シュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/1954752.htmlシュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/1954388.html