集めるよりも大切な「分析」のために
「G1首長ネットワーク」に参加する武雄市、千葉市、奈良市及び福岡市は、2013年1月25日、具体的な事業展開に向けて、「ビッグデータ」や「オープンデータ」の活用を検討及び推進する協議会を設置することを発表しています。
今回、設置となる協議会の名称は、「ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会」。目的は2つ、市民に役立つ情報の共有化のために「ビッグデータ」や「オープンデータ」を活用することと、新しい産業の創出や経済の活性化に結びつくビジネスへの同データの活用を通して具体的な事業を展開することです。
また、2013年4月1日には、武雄市、千葉市、奈良市、福岡市の4つの地方自治体で構成され、会長を千葉市長とする同協議会が、正式な設置の運びとなるようです。
理想を持つアイデアこそ「命」となるか
今後、同協議会では、5月に、データの活用に関するアイデア募集を開始し、優秀作品を表彰する「ビッグデータ・オープンデータ活用アイデアコンテスト」を、また、8月には、「ビッグデータ・オープンデータ活用に係る公開シンポジウム」と「アイデアコンテスト」の表彰式を行う予定になっています。
ちなみに、「ビッグデータ」は、従来のデータベースを用いた管理システムでは扱いずらい“巨大な”データのことを指します。ただ、“巨大な”という形容詞は、量の多さだけを意味するわけではなく、日ごとに記録される「履歴」や「ログ」に加えて、画像ファイルや動画ファイルなどの非構造化データもしくは非定型的データを指すことも少なくないようです。また、「オープンデータ」とは、個人や企業、団体が利用できるように一般に公開されている調査データのことです。逆に、調査データを求める個人や企業、団体を募って実施し、これらの関係者のみにデータを公開するものを「クローズド・データ」といいます。
バラク・オバマが再選を果たした2012年の米大統領選挙では、この「ビッグデータ」をどう扱うかが“勝利のカギ”になったといわれています。“有権者”を“個人”としてとらえ、徹底的な「分析」を重ねて、草の根活動とも呼ばれるネット上での小口献金や選挙活動のボランティア参加、そして、投票行動へと結びつけるコミュニケーションを実現することで、サンプル調査では把握できない投票権者の実態が得られ、選挙結果に多大な効果を与えたのかもしれません。
米国をはじめとする海外の国々と比べて、こと「政治」や「社会問題」への個の意思が成熟していないといわれる日本ですが、政治家が有権者一人一人をみつめる姿勢と、有権者が画一的ではない意見を自ら形成する姿勢が、真摯に向き合うようになれば、他人任せで流されやすい風潮も、いくらか変わってゆくのかもしれません。

千葉市 プレスリリース
http://www.city.chiba.jp/somu/joho/