株主の発言権が強化
スイスで企業経営陣の高額報酬を制限するか否かを問う国民投票が3日、行われ、67.9%の賛成多数で承認された。
報酬制限の法案は、中小企業家で無所属議員のトーマス・ミンダー氏によって提案された。
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by Victor1558憲法が改正され、株主の発言権が強化される。スイスの上場企業の株主が経営陣の報酬に制限を課したり、法外な退職金の支払いを阻止したりできるようになる。これにより、スイスは株主が強い発言権をもつ国の一つになる。
報酬制限に違反した企業取締役幹部には最大3年までの禁固刑や重い罰金が科される可能性がある。
規制の執行までには1年以上かかるとみられている。政府は法案を策定し、国会に提出する必要がある。国会において、報酬制限の反対派により、規制が弱められる可能性もある。
欧州連合、銀行員のボーナスに上限設定
欧州連合(EU)において、欧州議会と加盟国は2月28日、銀行員のボーナスに上限を課す新規制の導入に暫定合意した。新規制は2014年1月から執行される見通し。
新規制は、行員の年間賞与が年間給与の額を超えるのを禁止するもので、株主の過半数の承認が得られれば基本給の2倍まで支給可能となる。
ドイツでも79%が規制を求める
ドイツでも、最大野党の社会民主党(SPD)や緑の党(Grünen)などから「行きすぎの報酬に対する規制をつくるべきだ」という要求が持ち上がっている。
ハンデルスブラット紙によると、ドイツ国民の大半もスイスで決定された同様の規制を欲しているようだ。「株主が企業幹部や役員の報酬を決定すべきか」という世論調査の結果、約79%の人が「そうあるべき」だと回答。
特に46歳以上の回答者は「より厳しい規制」を求めた。一方で18~30歳までの若年層では30%が「規制は必要ない」と回答。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ハンデルスブラット紙(Handelsblatt)
http://www.handelsblatt.com/politik/