下院-中道左派が勝利
24、25日の2日間で行われたイタリア総選挙は25日から開票され、中道左派連合が下院での得票数でわずか約13万票の差をつけて過半数議席を確保した。
内務省によると、ベルサニ氏率いる中道左派連合の得票率が29.54%、ベルルスコーニ氏が率いる中道右派連合が29.18%。
下院では最多得票を集めた勢力に定数議席の54%が自動的に付与される仕組みになっており、中道左派連合は630議席中340議席、中道右派連合は124議席を獲得。
元コメディアンのグリッロ氏が率いる「五つ星運動」は得票率25.55%で108議席、単独の勢力としては最大政党である。モンティ首相の中道連合は10.56%で45議席。
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by European People's Party - EPP上院-過半数の勢力なし
一方、上院(315議席)では中道左派が31.63%の得票率で中道右派の30.72%を上回ったものの、議席数は中道左派が113議席、中道右派が116議席獲得したようだ。グリッロ陣営は23.79%で54議席、モンティ氏の中道連合は9.13%で18議席を獲得。
上院では各州の定数の過半数がそこでの得票が最も多い陣営に割り当てられる。両院とも投票率は約75%だった(前回の2008年は約81%)。
今回の選挙で、イタリア国民の大部分は欧州連合(EU)とユーロ、とりわけ緊縮路線への追随にうんざりしていることが示された。
ドイツメディアは、「有権者の2人に1人は、現実から目をそらし、ベルルスコーニ氏やグリッロ氏の魅力的な公約に惑わされたのであろう。」と報じた。
ベルルスコーニ氏、左派連合との連立を示唆
総選挙の結果を受けて、ベルルスコーニ前首相は、「イタリアは政権不在のままではいられない。すべての勢力が犠牲を払う必要がある。」と、左派連合と連立を組むことも視野に入れている考えを示した。
上院で折り合いがつかなければ、再選挙が必要になる可能性もあるとされているが、ベルルスコーニ氏は、再選挙は無意味だという立場を取っている。
ユーロ圏が再び不安定化することへの懸念から、イタリア国債の利回りは上昇し、ユーロは1月初旬以来の低水準で、株式市場では株価が大幅に下落している。

シュテルン誌(Stern Online)
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