国連の制裁強化決議への対抗措置
北朝鮮による3度目の核実験を受け、国連安全保障理事会が制裁強化決議を採択したことや米国と韓国の合同軍事演習への対抗措置として、北朝鮮は8日、南北不可侵に関するこれまでの合意をすべて破棄すると宣言した。
また、南北の軍事境界線の直通電話を直ちに断絶することも明らかにした。北朝鮮は米韓両軍が軍事演習を本格化する11日に合わせ、朝鮮戦争休戦協定の白紙化も既に表明しており、強硬姿勢をエスカレートさせた形だ。
朝鮮中央通信によると、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は「全面戦争の準備はできている」と語ったという。ささいな挑発で北朝鮮軍が韓国に向けられるだろう。
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by Mark Scott Johnson北朝鮮の兵力を分析―ドイツメディア
世界は一発触発の朝鮮半島を注視している。8日付の独シュピーゲル誌オンライン版が、韓国の韓国経済研究所(Korean Economic Research Institute)の情報をもとに、北朝鮮の兵力を分析。
軍隊
北朝鮮軍の重要な武器はその「軍隊の規模の大きさ」である。2400万人の人口に対し、総兵力は110万人以上といわれている。安全保障政策シンクタンクのグローバル・セキュリティによると、15~60歳までの約30%が予備役として待機しているという。総計700万~800万人と推定される。
対して、韓国軍の兵力は70万人で、予備役は300万人、在韓米軍は2万8000人である。
砲
ソウルは軍事境界線から50kmしか離れておらず、北朝鮮の砲撃の射程範囲内で危険にさらされている。北朝鮮は約1万2000門の高射砲を保有し、大部分は国境付近に配置されている。
戦車
北朝鮮は戦車を5000両保有していると思われる。ほとんどがロシア風の50年代から70年代のものである。韓国は2300両の戦車を保有しているが、明らかに近代的で、良好な状態であると言えよう。
核兵器と弾道ミサイル
北朝鮮軍は、ミサイル1000発を保有していると言われているが、不確実な推測である。ミサイルのほとんどは、ソ連邦が開発したスカッドミサイルを元にした短距離と中距離弾道ミサイルである。
日本も射程範囲に入るとされる。
北朝鮮の核兵器については核弾頭として、最大保有数が20個前後だと予想されているが、核弾頭搭載可能な弾道ミサイルを投入できるほどには至っていないと思われる。
専門家の中には、すべてはったりだと主張する者もいる。核兵器と長距離弾道ミサイルは、脅しの材料としては非常に重要である。
韓国経済研究所によると、北朝鮮は軍隊の大きさでは勝っているかもしれないが、燃料不足や設備の古さなどにより、軍事行動が長引けば、成功する可能性はないということだ。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/