リンクでつながるオープンデータは、世界で400億項目
株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)、アイルランド国立大学ゴールウェイ校の研究機関「Digital Enterprise Research Institute」、および、「Fujitsu Laboratories of Europe Limited」は、2013年4月3日、「LOD」を格納し、一括検索することが可能になる活用基盤を開発したことを公表しています。
「LOD(Linked Open Data)」とは、「RDF(Resource Description Framework)」と呼ばれる機械処理が容易で特定アプリに依存しないデータ表現形式が用いられた、世界中で公開されている互いにリンクが張られたデータのことを指します。2013年現在で、約340の主要なデータ公開サイトがあり、全体では、400億項目のデータ量があるといわれています。
例えば、米国では、データ公開サイト「Data.gov」が立ち上げられており、また、英国では、政府のデータ公開サイト「Data.gov.uk」において、今回のような公開形式が採用されています。
日本では、2012年7月に、内閣府のIT戦略本部により、「電子行政オープンデータ戦略」が策定されて以降、オープンデータの法的な基盤整備や、公共データの公開が始まっています。
データの「在り処」は、重要でなくなる?
ただ、データの公開先がインターネット上のそれぞれのウェブサイトであることから、入手したいデータがどこにあるかといった“置き場所の把握”が難しいという課題がありましたが、今回の活用基盤の開発により、従来と比べて、5倍から10倍高速な「検索アルゴリズム」を用いることで、格納されたデータを標準的なAPIで一括検索することが可能になったそうです。
富士通研究所では、今回開発した技術をクラウド上に実装したLOD活用基盤を、世界に先駆けて無償公開し(2013年中に限定公開予定)、オープンデータの利活用の推進につなげたいとしています。
今回の発表の際、想定された活用方法には、企業業績を瞬時にかつ多角的に分析することが挙げられています。また、米国大統領選挙において、オバマ大統領を再選に導いたのは、ビッグデータの活用にあったとの意見もあります。真の意味でのグローバルデータを得られる環境が整備されつつあるとすれば、あとは、有効に活用するための知恵ということでしょうか。

株式会社富士通研究所 プレスリリース
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