深刻な庁舎の老朽化
千葉県一宮町は、町役場の新庁舎建設について住民説明会を開催した上で、パブリックコメントを実施し町民の意見を広く募集すると発表した。
昭和42年に建設された現庁舎は、老朽化により大きな地震がくると倒壊する危険性がある。さらに行政機能の増大に伴って庁舎が手狭になり、行き届いた行政サービスの提供が困難になっている。これらの事由により、早急な新庁舎建設の必要に迫られている。
このため一宮町は、町内の各団体の代表者を始めとする10人の委員で構成する「一宮町庁舎建設検討委員会」を組織し、庁舎建設の基本的な考え方について検討を進めてきた。さらに、3月11日に発生した東日本大震災の教訓を生かして、最適な建設方法などを再検討した結果、素案としての新庁舎建設基本構想・基本計画がまとまったので、町民に公表し意見を仰ぐもの。
誰もが利用しやすい、まちづくりと防災の拠点としての庁舎を目指して
新庁舎建設の基本理念を「誰もが利用しやすい、まちづくりと防災の拠点」と定め、新庁舎に必要な基本的機能としては、「町民サービスの向上が図られ、効率的な行政経営の場」、「防災拠点としての機能」、「議会活動を推進する場」、「維持管理を考慮した経済的な庁舎」を掲げている。
新庁舎の建設位置は、利便性や経済性を始めとするさまざまな観点から勘案した結果、現庁舎敷地に建設するのが最適と判断された。津波対策としては、新庁舎の建物本体で津波を受け止めるのではなく、海岸県有保安林を土盛り嵩上げし、保安林内で津波の衝撃を受け止めるよう、国や県に整備を要請していく考え。
役場の庁舎は行政サービスの中心であり、災害時においては災害対策本部の役割を果たす拠点となる。一宮町の発展に深く関わる重要施設の建設が最善のものとなるためにも、町民の理解と協力が強く求められている。