「第2回 3.11東日本大震災の影響 子育て調査」
ベネッセコーポレーションは2月24日、社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」が実施した、0~6歳の未就学児をもつ母親を対象とする「第2回 3.11東日本大震災の影響 子育て調査」の結果を発表した。調査項目は、東日本大震災後の子どもの生活や様子、母親の子育て感情、生活の不安、信頼できる情報、これからの日本が力を入れるべきことなど。
<調査地域> 東北:岩手県 、宮城県、福島県
首都圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
東北及び首都圏以外の地域:北海道、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県
<有効回答数> 3,138サンプル
<調査時期> 2012年1月13日~16日
<調査方法> インターネット調査
調査結果をみると原発事故による放射線健康被害への懸念が色濃く影を落とす内容となっている。
*画像はニュースリリースより
ストレスサイン「甘える様子の増加」 福島県で55.4%
調査結果では、子どものストレスサインのひとつである「甘える様子が震災以前より増加した」と回答した母親は、東北45.7%、首都圏31.9%、東北及び首都圏以外の地域19.7%。東北を県別でみると、「甘える様子の増加」は、岩手県41.3%、宮城県43.2%、福島県55.4%で、福島県がもっとも高い。
「子どもの屋外遊び時間が減った」 福島県で74.4%
1年前の同時期と比較して、「子どもの屋外遊び時間が減った」と回答した母親は、首都圏24.3%、東北42.0%、そのうち福島県74.4%である。平日外で遊ぶ平均時間をみると、福島県の子どもたちの屋外遊び(園以外)の平均時間は13分と他の地域と比べ少なかった。その理由について、福島県の母親の97.1%が放射線の健康への影響が心配だからと答えている。
調査時点(2012年1月)で、震災以前と比較して「気分がふさぐこと」が「よくある」「時々ある」と回答した母親は、東北で45.6%、首都圏26.8%。東北を県別でみると福島県では約半数(51.5%)である。
全国の母親が放射線による子どもへの健康被害を心配
震災後の社会が、「できていないのでもっとすべき」と思われている上位3項目は、「子どもの生活圏内における放射線の除染」(東北80.7%、首都圏79.2%、東北及び首都圏以外の地域80.4%)、「被ばくが心配な子どもに対する健康診断」(東北79.8%、首都圏78.2%、東北及び首都圏以外の地域75.5%)、「信頼できる情報の公表」(東北75.4%、首都圏78.4%、東北及び首都圏以外の地域77.5%)。
この回答(%)は、「十分できている」「まあできているがもっとすべきだ」「できていないのでもっとすべきだ」「必要ない」の4択中「できていないのでもっとすべきだ」と回答したものというから、被災地だけでなく全国の母親たちが、放射性物質がもたらす子どもへの健康被害を心配し、情報公開に対し厳しい目を向けている結果となっている。
上位3項目に次いで、「被ばくが心配な子どもに対する一時的な避難や疎開」(東北72.2%、首都圏72.3%、その他地域71.4%)、「信頼できる報道がなされること」(東北66.0%、首都圏70.2%、その他地域64.8%)、「原発事故の風評被害を受けている生産者を応援すること」(東北64.4%、首都圏60.9%、その他地域65.7%)、「安心できる検査を通してから食料品を流通させること」(東北60.2%、首都圏59.8%、その他地域61.8%)などとなっている。

ベネッセコーポレーション ニュースリリース
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/pdf/shinsai_311_release2.pdf